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「君の判断を間違いになんてさせない。後悔してほしくない。僕を信じてくれた君や社長を裏切れないって思ったから、僕も頑張れたんだ」
有難う、僕を支えてくれて。そう言葉を続けた彼に泣いてしまいそうになるのを必死で我慢しながら「帰ったら…渡したいもの、ある…」と小さな、本当に蚊の鳴く様な小さな声で伝えた。
今日はクリスマスイブだから、家に帰って、ただの無音要として、恋人の彼にプレゼントを渡したい。
「うん。僕も…君に渡したいものがある」
仕事中に話す事では無いのかも知れない。公私混同はしたくないと言いながらも立派に公私混同している自分が本当に情けない。
「デク、後処理はこっちで引き受ける」
「分かった。頼んだよ、無音情報特務課長」
また後で。
その言葉を声に出したりはしなかったが、きっと彼も同じ様に思っていたのだろう。彼の眼差しが暖かくて優しさに満ち溢れていて、私は気持ちを切り替える様に後処理に専念し、その後直帰したのだった。
家に帰ると私の方が早く終わった様で、彼の姿は何処にも無く寂しさを感じてしまったが、それはそれで好都合と言わんばかりに急いで遅めの夕食作りに取り掛かる。
出来るだけ品数を増やして、手が空くと前日に用意したクリスマスの飾りを部屋のあちらこちらに飾り付けた。
「………」
そして、先日山田君が渡してきた“ミニスカサンタ”とやらの衣装を物置化している部屋から引っ張り出し、数秒それを見詰めてみる。
『イブの日掃討作戦だろ？？せめて夜は派手に行こうぜ？？緑谷もぜってぇー喜ぶから！』
こう言っては山田君に失礼な気もしなくは無いが、悪魔の囁きの様なその言葉を思い出しながら彼が帰って来る前にそれに着替える。
姿見に映る自分の姿に何とも言えない気持ちになるが、そうこうしている内にグリルの中に放置している骨付き肉が焦げてしまうのでさっさとキッチンへと戻る事に。
ミニスカサンタというだけの事はあり、本当にスカートが短過ぎて…恥ずかしさよりも寒さの方に堪えてしまう。
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作者名：パル | 作成日時：2019年9月7日 15時
