【ヒロアカ】Continue to love 3 (ページ30)

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待機場所で時計を確認しながら作戦開始の合図を待つ。先程までいつもの様に喋っていた山田君も開始5分前ともなると静かになっており、徐にマイクを手に持ち、インカムに触れた社長にいよいよなのだと緊張が走る。

「総員、配置に着いたな？では、これより掃討作戦を開始するっ！！」

花火大会、始まりの花火が打ち上げられると同時に掃討作戦は幕を開けた。奇襲は思ったよりも効果を発揮した様で、敵(ヴィラン)達の動きも此方の想定の範囲内。だが、組織というだけの事はあり、初めは応戦するばかりだった敵(ヴィラン)達はその場凌ぎの動きから目的を持った動きへと変化する。

「…空間把握の個性か」

敵(ヴィラン)のボスの側近、いや…参謀にそういった個性を持つ敵(ヴィラン)が居る事は山田君の調べで分かってはいたが、思った以上に頭が切れる様で、敵(ヴィラン)達の立て直しが早い。

数で言えば此方が優勢だが…高を括る訳にもいかない。徹底的に潰さないと下手に逃がせば必ず後顧の憂いとなる。

今作戦にはタイムリミットがある。それは花火が終わるまでの30分。混乱を防ぐ為に民間人には何の情報も流してはいない。それ故に仮に避難誘導を開始しても会場に集まる大勢の民間人を誘導する事は難しいだろう。

花火が終わり民間人が帰宅する前に掃討作戦を終わらせなければ、最悪…取り逃した敵(ヴィラン)に人質に取られかねない。

「社長、確か花火大会の警備は他の事務所と合同でしたね」
「ああ、だが、応援を呼ぶのは賛成出来んぞ？それでは君達に要請を出した意味が無い」
「分かっています。掃討作戦に応援は必要ありません。ですが、会場の方の警備を他の事務所から人員を増やせないかと」
「そういう事なら交渉は任せる。○○事務所と△△事務所のヒーローが警備に当たっている筈だ」

○○事務所と△△事務所なら切島君と耳郎さんが所属していた筈だ。二人共…いや、どちらかだけでも構わない。打てる手は打つ。

「山田君、すぐ戻る。その間任せるよ」
「おう！任された！！」

携帯を持って車から降り、切島君へと電話を掛けた。