１９３ side無し ページ6
そして、黒霧が戻るなり彼に彼女の無駄に可愛らしく、クオリティの高いぬいぐるみを大量に作らせたのだ。現在、死柄木の机の周りやカウンターには四季折々の彼女のぬいぐるみが飾られている現状なのだ。
ツッコミ不在とは実に恐ろしい、と後々彼女が白目を剥くのはまだ先の話だが、不気味な雰囲気を醸し出していたBARは、今や至る所にAぬいぐるみがある可愛らしいBARへと姿を変えていた。
これが匠(黒霧)の技です。とナレーションを入れたくなる程のビフォーアフターっぷりに、死柄木は勿論、オール・フォー・ワンも満足げなのだとか。
「なぁ、先生…A、これが終わったら来るんだよな？」
今までの茶番は何だったのだろうと突っ込みを入れたくなる程、物静かに話し出した死柄木にオール・フォー・ワンは彼が何を言いたいのかを察した様で『不安かい？』と尋ねる。
「…何でA楽しそうにしてんだよ…彼奴の居場所は此処だろ…なのに、苛付くなｧ…」
緑谷、麗日、常闇と騎馬戦に挑む彼女の姿は楽しげで、死柄木の目にはとても彼女が今の居場所を捨てたいと思っている様には見えなかったのだ。
苛立ちを隠そうともせず、ガリガリと首を掻き始める死柄木は今まさに轟に鉢巻をかっ攫われた緑谷と彼女が奮闘する姿を睨み付けている。
『今まで長く過ごしていた場所だからね、思い出や築き上げてきた人との繋がりがあるのだろう。だけど、心配する必要は無いよ。死柄木弔』
彼女はそれ等を捨て去る事の出来る人間だ。必ず、彼女は此処へやって来る。君に救いを求めてね。
オール・フォー・ワンのその言葉にすっかり気分を良くした死柄木は「そうだよなぁ、そうだ。彼奴は俺に救いを求めてるんだ…くくっ、ははっ…！」と愉快だと言わんばかりに笑い出す。
「彼奴はもう、お前達とは違うんだ。俺達、敵連合の一員だ……くくっ…あはははっ！！」
早く、早く来いよ。全部捨てて、何もかも置き去りにして、偽善ぶった奴等を裏切って俺の元へ。
此処がAの居場所だ。
「Aが来たらお帰りって言ってやんなきゃな、先生」
『そうだね。今日は彼女の歓迎会を開こうじゃないか』
死柄木はうっとりと液晶に映し出される彼女を見詰め、恍惚とした笑みを浮かべる。その瞳に狂気にも似た、薄暗い光を宿して。
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パル(プロフ) - ウサギさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!良い文なんてとんでもないです！1日で読んで下さったんですかΣ(・ω・ﾉ)ﾉ有難う御座います!!(><)これからもﾀﾞﾗﾀﾞﾗとした進行度ではありますが、どうぞよろしくお願いします!! (2018年6月1日 11時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
ウサギ - 良い文ありがとうございます。 今日発見したが、すごくおもしろくて一日で全部読んでしまいました。 これからも頑張ってください。 (2018年6月1日 11時) (レス) id: 7b63bf87a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2018年5月22日 20時
