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壮絶な出久と轟の試合が終わり、僕の試合が来るまでに少し時間が掛かった。と言うのも二人が派手にやり合っていたせいで、リングがボロボロ。すぐにセメントス先生に寄る修繕が行われたが、それでも次の試合が始まるまでには時間が掛かる。
その間、お茶子ちゃん達に出久のお見舞いに誘われたりもしたが「今は一人になりたい」と断り、人気の無い通路に設置されたベンチに腰を掛けた。
「…皆、進んでいくんだなぁ…」
出久の努力が報われた。轟を縛る鎖も切れた。残る心残りは勝己だけだ。
好きだと自覚してしまった。けれど、勝己に負けてやるつもりは無い。勝己を捩じ伏せたいと思う気持ちは何も変わっちゃいない。
我ながらホントに好きなのだろうかと疑ってしまうけど、きっと勝己にも同じ事が言えるだろう。
遠くから聞こえてくる喧騒に何も無い天井を仰ぎ見て、深く息を吐き出し目を閉じる。すると、此方へと近付いてくるﾄﾝｯ…ﾄﾝｯ…と杖を付く音が穏やかだった心に影を落とす。
「次は無様な試合を晒す事は無さそうだな、A」
僕の前で止まった足音と随分聞いていなかったジジの声に瞼を開けば、そこには何が可笑しいのか、何かを企んでいる事も隠そうとせずに笑うジジが立っていた。
何も言わずに溜め息だけを吐き出せば「フッ…相変わらず、逃げ続けておる様だな。千里に…いや、婆さんに似たのか…」と僕を煽る様に目を細める。
「まぁ良い。体育祭が終わればお前は私の家で管理する。惰眠を貪る時間など与えん」
「体育祭の結果次第って吐かしてたんじゃねぇのかよ」
そう吐き捨ててジジを睨み付けた瞬間…
ﾊﾟｧｧﾝｯｯーー!!
「っーー！」
避ける間も無く平手打ちをくらい、それも個性で威力が増幅されたそれは僕をベンチからぶっ飛ばすには充分な力だった。
口内に広がる鉄の味に顔を歪ませ、何すんだ…!!とジジを睨み付けると、反論など許さないと言わんばかりに僕の腹に杖を突き立てて来る。
「ｯ…くっ…！」
「口の利き方には気を付けろと千里に教わらなかったか？それとも…」
「あﾞっ……！！」
「この私に歯向かうつもりではあるまいな？」
更に食い込ませる様にグリグリと杖を捩じ込ませて来るジジに抵抗するも、僕の個性の更に上から力を増幅させてくる。
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パル(プロフ) - ウサギさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!良い文なんてとんでもないです！1日で読んで下さったんですかΣ(・ω・ﾉ)ﾉ有難う御座います!!(><)これからもﾀﾞﾗﾀﾞﾗとした進行度ではありますが、どうぞよろしくお願いします!! (2018年6月1日 11時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
ウサギ - 良い文ありがとうございます。 今日発見したが、すごくおもしろくて一日で全部読んでしまいました。 これからも頑張ってください。 (2018年6月1日 11時) (レス) id: 7b63bf87a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2018年5月22日 20時
