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オールマイト、アナタの言葉は所詮綺麗事だ。綺麗な世界の中だけならその理屈も通用するのかも知れない。だけど、仮に僕の大切な人が死柄木さんだったとしよう。あの人は例えクラスメートに個性を向けたとしても笑って喜ぶだろう。
それこそ手放しで「良くやった」と褒めてくれる。僕の選択が正しかったのだと肯定してくれる。ちゃんと、僕という存在を見てくれる。
ぼんやりと陽の当たる会場へ入場する。同じく正面から歩いてくる飯田と目が合う。彼の瞳には正義やら志と言った強い意志を宿していた。
『ザ･中堅って感じ！？ヒーロー科、飯田天哉！対 やる時はやる！同じくヒーロー科、増方A！！』
プレゼント･マイクの声が何処か遠くで聞こえる。観客達の盛り上がりも、声援も全てが此処では無い、何処か別の場所にある様で…その癖、ジジの視線だけははっきりと僕に刺さるのが分かった。
僕はジジの人形になるつもりは無い。ジジや大人達の期待なんか知らない。あの子供の声もどうだっていい。
そして…
『START!!』
目の前に居る、クラスメートの飯田の事もどうだっていいのだ。僕はただ、自分の為にこの個性を振るい、生きるだけ。
そう思いながらエンジンの個性を活用し、真っ直ぐと向かって来る飯田に僕は加減無しに両手をﾊﾟｧﾝｯと打とうとした時ーー…
『これから君は人に個性を向けなければならない。その時、思い浮かべてほしい。大切な人の顔を』
オールマイトの言葉が頭を過ぎり、個性を使う事を躊躇してしまったのだ。その隙にも飯田の個性で加速した蹴りが左側から来るのを間一髪、飛び引いて何とか回避する。
「っ…！」
思い浮かべた訳じゃない。不意に過ぎった顔に苛立ちが込み上げてくる。違う、大切な人なんかじゃない。違う…違うのに、再び向かってくる飯田に全力で個性を使おうとすれば、その存在が頭にチラついてくる。
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パル(プロフ) - ウサギさん» ｺﾒﾝﾄ有難う御座います!!良い文なんてとんでもないです！1日で読んで下さったんですかΣ(・ω・ﾉ)ﾉ有難う御座います!!(><)これからもﾀﾞﾗﾀﾞﾗとした進行度ではありますが、どうぞよろしくお願いします!! (2018年6月1日 11時) (
レス) id: a050d7518b (このIDを非表示/違反報告)
ウサギ - 良い文ありがとうございます。 今日発見したが、すごくおもしろくて一日で全部読んでしまいました。 これからも頑張ってください。 (2018年6月1日 11時) (レス) id: 7b63bf87a4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パル | 作成日時：2018年5月22日 20時
