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義勇風邪ー実弥しのぶ看病 ページ22

「お願いしますよー」
「嫌っつってんだろォ」
「もう今度から蝶屋敷に来ても診てあげませんよ」
「いや、それとこれとは別だろォ…」
「じゃ、お願いしますねっ!」
「おい、ちょ、待てッ!…チッ」

くそォ…
胡蝶のヤツめ
全部俺に任せっきりで逃げやがった
冨岡が風邪をひいて会議を休んだ
だから看病しに行け…と
いくら蝶屋敷が忙しくてもそれはお前の仕事だろォ…
でもまぁ、このままずっと任務に行かねぇのもこっちが困るだけだから行くしかねぇんだが
俺は風のような速さで民家の屋根を走って冨岡邸へ向かった

ーーー

in冨岡邸ー

トントン
と、軽く戸を二度叩く…が、まぁ、出てくる訳もなく沈黙だけが流れた
少し戸を開いてみると冷たい風がふっと頬に触れる
一人暮らしにしては広い屋敷の、長く奥まで続く廊下は何も無くどこか寂しさが残る

「冨岡ァ…入るぞ」

一歩、二歩と足を進めていくとすぅーっと一つの襖が開いた
ちらりと覗くと足元にはぁはぁと息を切らした冨岡がいた
しゃがんで顔を覗けば虚ろな目でこちらを見て、その瞬間に体の力が抜けて横に倒れた
襖をバッと開けて、冨岡の脇に手を入れ、座らせる
その触れた体からじんわりと伝わってくる熱
意識はありそうだが、目眩がするのか目を固く閉じてだらんとしている

「おい、大丈夫かァ?」
「ん…っ」
「持ち上げるからなァ」

力が抜け、いつもよりも重く感じる体をいとも簡単にひょいっと持ち上げて、部屋の奥にぐちゃっと敷いてある布団へ寝かせる
とりあえず胡蝶を読んだ方がいいか…
ここまでで放置しておくわけねぇもんなァ
夜の間に悪化した…ってところかァ
横の文机には空になった薬の袋
水もぬるくなってる
朝起きてから水も飲んでねぇんだろうなァ…
よくここまで一人でなんとしようとするな…逆に尊敬だわァ
呼吸は忙しく上手くできてねぇし、汗は凄いしまともに会話もできはしねェ
ほんっとに何をやってんだか…こいつはァ

「失礼しまーす」
「おぅ」
「あらあら、大丈夫ですか…?結構熱上がってるみたいですね」
「あぁ…九度は超えてそうだなァ」
「体温計持ってきたので」
「んんっ……」

測り終わった体温計を見れば示すのは三十九度三分の文字
胡蝶は空になった薬の袋を見て薬があってなかったと独り言を言い、文机に薬品などを並べて、新しく薬の調合を始めた
薬を飲むなら飯を…と、俺は厨で粥を作り始めた

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夜空 星夜 - 初コメです。無一郎が体調を悪くするけっきじゅつにかかって、不死川に看病される話しが見たいです!(嘔吐・過呼吸も入れてほしいです)これからもがんばってください!おうえんしてます!! (2022年6月24日 18時) (レス) @page24 id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)
天の川(プロフ) - 初コメ失礼します。リクエストで、カナヲが現パロキメツ学園で高熱・喘息発作で倒れて家に帰って、胡蝶姉妹に看病される話がみたいです。(悪夢で過呼吸、嘔吐も入れてくれると嬉しいです)よろしくお願いします。 (2022年3月28日 15時) (レス) id: 9d77a365fa (このIDを非表示/違反報告)
麗子 - 冨岡さんの花粉症のリクエストお願いします 内容はお任せで大丈夫です (2021年9月1日 14時) (レス) id: e61f4f2a06 (このIDを非表示/違反報告)
めいか - いつもおもしろい小説ありがとうございますカナヲがよわっていてたんじろうがかんびょうしてるおはなしがよみたいです (2021年7月31日 10時) (レス) id: 18ef1774bc (このIDを非表示/違反報告)
亜香里 - リクエスト 冨岡さんが過呼吸 実弥看病で!内容はおまかせします (2021年3月17日 19時) (レス) id: 0fc43e2053 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さにゃ | 作成日時:2020年12月28日 13時

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