38.お祝い的な話【番外】 ページ38
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(rd side)
ピンポーン
突如、配信の最中に鳴り響いたインターホンに記憶を遡りながら玄関に向かった。
「あれ……俺、ウーバーなんか頼んだかな?」
がちゃっと音を立てて開いた扉の向こうには、良く見知った顔があった。
「おにぃ、ハピバー。」
「え……え??」
「ふはっ、びっくりした?」
「え、え?本物??」
「そこで偽物疑うのなんなの?なぁ、寒いから早く中入れて。」
「あ、あぁ。ごめんごめん。今配信中だからちょっと待ってて?」
「うん、そうだろうと思ってたから全然いいよ。」
リビングのエアコンを付けて、適当にくつろいでてとAに言ってから俺は配信に戻った。
まぁ、Aの事だから言わなくてもくつろぐとは思うけど。
「いや、今ねぇ……宅配かと思って出たら、弟来てびっくりしたよね。」
『弟くんも雑談に参加か?』
『電凸してた子?』
「え?呼ばないし、しゃべんないよ。」
それからしばらく一時近くまで雑談をし、配信を閉じた。
配信を終えリビングに行くと、Aはスマホを片手にイヤホンで何か聞きながらソファに座って目を閉じていた。
「ごめん、お待たせ……て、寝てる?」
「んにゃ……っ、寝てないよ。」
「いや、今完全に寝てたよね?」
「……お兄の声、眠くなるんよな。」
「え?!もしかして配信聞いてくれてたの?」
「なっ、いや……聞いてないよ。」
誤魔化すようにイヤホンを外したAを問い詰めるように隣に座って顔を覗き込むと、気まずそうに視線を合わせた。
「……おめでと。」
「ふふ、ありがと。わざわざ来てくれたの?」
「うん、明日……あ、もう今日か。今日、休みとったから夕方まで一緒にどっかいこ。」
「休みまでとってくれたの?なにそれ、
嬉しすぎるんだけど。」
「今年は一人だろうと思って。」
「まぁ、そうなんだけどね。」
「あはは、だからオレが祝ってあげる。」
「Aが珍しくデレてくれてる……!」
いつものツンツンしているAも十分可愛いけど、デレてるAは格別に可愛いなぁ!
そしてゾムさんから、早くAを返すようにメールが届いていたので『Aなら俺の隣りで寝てるよ』と返事をしておいた。
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だぁさんハピバです!
遅刻してすんませんでした……!!
突発的におたおめ話でした!
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手羽先の手先(プロフ) - 掻いてじゃなくて、書いてです; 変換ミス…… (2021年4月30日 7時) (レス) id: cd3cd98b0f (このIDを非表示/違反報告)
手羽先の手先(プロフ) - ぐりんてぃさん» 一応、説明文のとこに男主人公と搔いてありますが、紛らわしかったですね;題名に付け加えておきます! (2021年4月29日 18時) (レス) id: cd3cd98b0f (このIDを非表示/違反報告)
ぐりんてぃ(プロフ) - すみません、質問があるんですけど……。主さんの性別って、どちらなんですか? もし小説内で書いてあったらすいません。 (2021年4月29日 18時) (レス) id: 91f47c6a3f (このIDを非表示/違反報告)
手羽先の手先(プロフ) - あづめさん» 見つけてくれてありがとうございます!修正しました!気に入って頂けているようです良かったです!! (2021年4月28日 0時) (レス) id: cd3cd98b0f (このIDを非表示/違反報告)
あづめ(プロフ) - 最後……!最後が!括弧の中身がひらがなになっておりますよ…… !大事な1文では……!? 後とてつもなく好きです。 (2021年4月28日 0時) (レス) id: 1a0a1dd9b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:手羽先の手先 | 作成日時:2021年4月26日 19時