トンコレと君(tn) ページ19
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休日出勤なんてふざけたものをなんとかトンコレで乗り越え、なんとか夕飯時には帰路に着けた。
あの後輩、一回締めとかんとやな…
土曜日は部屋の掃除があるので、とか舐めてるにも程がある。
あかん、疲れた脳じゃぁ悪態をつく事しか出来へんくなっとる。
本来なら大好きな人の顔を見ながら夕飯について話し合っているだろ事を頭に浮かべ、また溜息が出た。
「え…明かり付いてるやん……」
鍵を取り出しながら玄関横の小窓から漏れる光に気付き、朝切り忘れたか？
と思考を巡らせるも、鼻を擽る匂いにもしやと期待を膨らませ玄関を開け放った。
「…トントン？」
tn「おー、おかえり。飯まだやから、先風呂入ってき？」
「た、ただいまー。トントン、嫁力高過ぎぃ…お嫁に来てください。」
tn「アホなこと言っとらんとはよ入ってこいや。」
「はーい。」
オレの顔は、今最高に気持ち悪いくらいゆるっゆるやと思う。
ホンマに嫁に来てほしい。
久しぶりの湯船に浸かりながらトントンが嫁に来たら…とか、そんな事しか頭に浮かばへん。
はぁー……好きやなぁ。
「何作っとるん？」
tn「おわっ、びっくりしたー！」
「美味そう、金平好きー」
tn「髪、ちゃんと乾かしてこいよ。」
「そのうち乾くから大丈夫やろ。」
tn「これ終わったら乾かしたるからドライヤー用意しとき？」
「はーい。」
トントンの後ろからひょっこり顔を覗かせフライパンの中を見ると、オレの好きなきんぴらごぼうがいい匂いをさせていた。
オレの好物を熟知しているトントンならではの献立となっていて、更にオレの頰は緩んだ。
鼻歌混じりでドライヤー片手にリビングへ戻ると、既にトントンはソファに腰掛けスタンバイしていた。
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作者名：手羽先の手先 | 作成日時：2020年5月28日 1時
