【HQ】天使だと思ってた時期もありました。【青葉城西】

15話:呼び方 ページ15

国見side





及川「くーにーみーちゃーん？」

国見「別に俺、嘘言ってないですよ」

花巻「そうだけど、完全に確信犯だよな？」



理解するなり、俺に詰め寄る３年生ズ。
この光景はまさに先輩にカツアゲされる後輩の図である。



『いいじゃないですか。可愛い後輩のイタズラですよ？許してあげるのが先輩の役目だと思いますけど』



そう言ってニコッと微笑む古賀さん。
古賀さんにこう言われれば、先輩達も何も言うことは出来ないだろう。



及川「今回は天使ちゃんに免じて許してあげるけど、次はないからねっ！」



そう言いながら俺を指さす及川さん。

及川さん、チョロいっすよ……









それから先輩達と別れて、
古賀さんと駄弁りながら家に帰っていた。

やっぱり女子って歩幅小さい…
彼女に歩幅合わせる彼氏も大変だな



『国見くんって意外とお茶目なんやね』

国見「俺は結構お茶目ですよ」



俺がそう返すと何故か古賀さんは
歩くのをやめて止まってしまった。

え？なに？また笑い出す？思い出し笑いする？

そんな予想は的外れだった。
古賀さんは結構真剣なトーンで
俺に話しかけてきた。



『ずっと思っとったこと言っていい？』

国見「いいですよ」

『国見くんと金田一くんって






───────なんで敬語使うと？』



しょーもねぇ…くそほどどうでもいい。

真剣な顔して、ちょっと構えてた自分が馬鹿みたいだ。



国見「そういえば、そうですね」

『私的にはタメで話して欲しいんやけど』

国見「へぇ、なんでですか？」

『私が言うのもなんやけど、敬語やったら距離ある感じせん？』



ほんとに古賀さんが言えた事じゃないけどな。

ま、俺も古賀さんと仲良くなりたいし。
別に拒否る理由もないか。



国見「いいですよ」

『やった！ありがと〜』



そう言って笑う古賀さん。
実は古賀さんが黒いことを忘れてしまうくらい
天使という言葉が似合う笑顔。



国見「古賀さんって………」

『“古賀さん”もいかん』

国見「えー…」



じゃあなんて呼ぶ？A？無理だろ…

てか、古賀さんも国見くん呼びじゃん。
古賀さんも国見くんも変わらないでしょ。



国見「…古賀？」

『う〜ん………ま、いいや』



あれ？普通名前呼びまで粘るとこじゃない？
まぁ面倒くさくなくていいけど……



『じゃあ、私も国見って呼ぼ』

国見「…変な感じ」

『ふふっそうやね』



名前呼びだったらもっと変な感じなんだろうな

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