4話:ヒロイン ページ4
愛宮side
私は今日も遅れてやってくる。
髪は跳ねさせ、少し服も乱して、恰も急いできましたよ感を出す。これをすれば、皆は私の事を可愛いと言ってくれるから。
そして今日も朝練に来た訳だけど…
これは何事?
愛宮「おはよーございまぁす」
及川「あ、おはよー!こももちゃん!」
岩泉「はよ」
なんでAちゃんが居るのかな?
皆、Aちゃんの周りに集まってて私が来た事に気づいてないし……
挨拶を返してくれた及川先輩と岩泉先輩さえも、此方には来てくれなかった。
愛宮「皆、おはよ〜!Aちゃんもおはよ!」
態々自分から近づいて話しかけに行く。
すると、やっと皆挨拶を返してくれた。
私が入部してから、こんな事1回もなかった。
皆、私の事好きな筈なのに…なんで?
『えっと…あの…あ、ももも先輩でしたっけ?』
花巻「ぶはっ…!ちっげーよ!こももだっつーの」
花巻先輩だけでなく、他の部員達もケラケラと笑いだす。あの国見くんも。
私の名前、変な風に言われてるのよ?
なんで怒らないの?いつの間に仲良くなったの?
『それはすみませんでした。こもも先輩、おはようございます』
愛宮「あぁ、全然いーよー!」
いきなり名前呼び……?
後輩の癖に馴れ馴れしいでしょ。
その後も私そっちのけで会話をしだし、よくよく聞いてみると、全員の事を名前で呼んでいるようだった。
愛宮「及川先輩〜!Aちゃん、如何して朝練に居るんですかね?仮入部は午後練だけだった筈」
及川「あー…なんかね、朝練の様子が見たかったんだって」
愛宮「へぇ〜」
珍しい。ホントにバレーが好きな子か。
及川先輩目当てだったら色々しやすかったんだけど。
まぁ、バレー好きってのを偽ってる可能性もあるか。私みたいなのも居るんだしね。
及川「Aちゃん、普通に良い子だからさ…沢山仕事もしてくれたし。その、こももちゃんの負担も減ると思う」
体育館内を見回してみると、ボトルやタオルがしっかり用意されていた。及川先輩の言う事に拠れば、これはAちゃんがやった物なのだろう。
愛宮「そっか!それは良かったぁ」
良くない、全然良くない。
何勝手に私の見てない所で株上げしちゃってんの?これからまた悲劇のヒロイン演じて、私の事皆に守ってもらおうと思ってたのに……
これが計算なのか何なのか知らないけど、絶対に追い出してやる……
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ぎうにう(プロフ) - すきやきさん» ありがとうございます(泣)更新頑張ります!!! (2020年4月21日 15時) (レス) id: c42a6ad68d (このIDを非表示/違反報告)
すきやき - この作品すごい好きです!続き楽しみにしています! (2020年4月18日 23時) (レス) id: 55a2afb651 (このIDを非表示/違反報告)
ぎうにう(プロフ) - ぽかりさん» ありがとうございます!!!週一で更新できるように心がけます……汗 (2020年4月9日 17時) (レス) id: c42a6ad68d (このIDを非表示/違反報告)
ぽかり - 凄い面白いです!更新楽しみにしてます! (2020年4月3日 21時) (レス) id: fd5c671f1d (このIDを非表示/違反報告)
ぎうにう(プロフ) - 杏さん» こちらこそありがとうございます!!もっと面白くできるよう頑張ります^^* (2020年4月2日 23時) (レス) id: c42a6ad68d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ぎうにう | 作成日時:2020年4月1日 23時