【pkmn】冠雪原の彼女と僕 3 【デント】 (ページ30)

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第百十六話　野生のフシデページ30

No SIDE

野生と思われるフシデを
サトシはポケモン図鑑でスキャンすると
いつもの説明が読み上げられた

【フシデムカデポケモン

頭と尻尾の触覚で空気の振動をキャッチし
周りの様子を探る】

サトシ「へぇ…凄い触覚を持ってるんだな」

アイリス「でも…何をしているんだろう？」

フシデはサトシたちに囲まれても
気がついていないのか

ずっとパイプに頭を突っ込んで
お尻をフリフリ振っていた

デント「頭を突っ込んだら
抜けなくなったんじゃないのか？」

サトシ「よし！いま助けてやる！」

アーティー「待て！」

サトシがフシデに触れようとすると
アーティーがサトシの肩を掴み静止した

アーティー「フシデの特性はどくのトゲだ！

下手に触ると毒にやられてしまう！！」

サトシ「…でも」

『そうだぜ、だから、退いてなサトシ』

サトシ「え？」

アーティーが真剣にサトシに
特性の危険性を説いていると

サトシの横から
ゴム手袋をつけたAがヌッと現れた

アイリス「い、一体そんなものどこから…」

『師匠が備えあれば憂いなしって
なんでもかんでも持たせるから…

大抵の物は持ってる

まぁ、まさかこんな形で
役立つとは思ってなかったけど』

サトシ「流石だぜ！Aの師匠！」

『まぁな、とにかくそこ代わって』

サトシと場所を変わり
詰まったフシデの体を掴み引っ張ってみるが

『っ…どうしたらこんなに詰まっちゃうんだよ』

デント「僕も手伝うよ！」

中々抜けず、なんとか踏ん張って引っ張り続ける

その様子を見てデントも助けに入ろうと
踏ん張るAの体に
腕を回し思いっきり引っ張った

【ｷﾞｭﾎﾟｯ】

「『うぉっ？！』」

【ドサッ】

すると直ぐにすっぽ抜け
その勢いに体がついていかず

Aとデントは後ろへ倒れてしまった

アイリス「だ、大丈夫？」

『私は大丈夫…で、デント大丈夫？』

デント「だ、大丈夫…」

Aはデントがクッションになり
痛みはなかったがデントは少し痛そうに
背中をさすっていた

『せ、背中痛めた？』

デント「大丈夫、大した痛みじゃないから」

心配させまいとデントは微笑みかけると
立ち上がり、Aもそれに続いて立ち上がった

「ピカピ」

「ﾌｼｬｰｯ！！」

一方、すっぽ抜けたフシデは
駆け寄るピカチュウに
距離を取りなにやら威嚇をしていた

その時だった

【キィイイイイン！！】

フシデから鼓膜が壊れそうな騒音が鳴り響いた