第百八話 怪しいソムリエール ページ22
No SIDE
サトシ「結構並んでるな…」
『…やっぱり帰る』
デントと一度別れ並び始めると
面倒くさくなったのか
列から抜けようか悩み始めたが
ふと背後から
「お客さんお客さん！」と呼びかけられた
振り向くと
後ろの済にある青いカーテンから
手招きする手が出ていた
「コッチにも良いソムリエールがいるよー？
並ばなくてもオッケーだから！」
サトシ「え？！すぐ見てもらえるんですか？！」
『…おい、サトシ』
サトシ「見てもらおうぜ！」
『おい！引っ張るなよ！』
誰も並んでいない
つまりはそういうことだろうと
踏んでいたAはサトシを止めようとしたが
引っ張られてしまい呆気なく
カーテンの中へ入ってしまった
サトシ「お願いしま「さぁさぁ座って！」」
『私は「あなたも見てほしいのね！」いや
ちが「悪いけど彼の後ろに立って待ってて」』
話を聞かずにAを
サトシの背後に立たせると
女の子は満足そうに
サトシの目の前に仁王立ちをする
少し戸惑いながらも
サトシは自己紹介を始めた
サトシ「え、えっと俺
ポケモントレーナーのサトシ！
コッチは相棒のピカチュウです！」
「ピカッチュ！」
サトシ「あとこっちは仲間のAです！」
『お前が紹介すんのかい』
カベルネ「私はカベルネ！
こう見えてポケモンソムリエ協会公認の
優秀なソムリエールなんだから！」
ふふんと鼻息荒くそう言うと
椅子に腰掛け更に自信満々に口を開く
カベルネ「相性以外でも
ポケモンフーズの調整
バトルの戦略、アクセサリーの選択
なんでも聞いてちょうだいね？」
『(絶対隣のソムリエールが正解だろこれ…)』
そうは思うが、さすがに本人の前では言えない
仕方なく、とりあえずサトシたちの
診断を見てみることにした
サトシ「俺！ポケモンマスター
を目指して旅をしているんです！
だから俺とポケモンたちの
相性を見てもらいたいんですけど！」
カベルネ「ピカチュウね！
イッシュ地方ではとても珍しいポケモンだわ！
んー！香りも珍しいわね…！」
『(物理的な匂いって
テイスティングしないだろ…
感想もそこまで深くないし)』
サトシ「いや…コイツとはいいんです
相性バッチリですから」
サトシが断りを入れると
一気にカベルネのテンションが下がった
言動とこの態度
もう嫌な予感しまくりである
そしてそれは的中することとなる
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作者名：ラム酒 | 作成日時：2022年9月26日 3時
