【pkmn】冠雪原の彼女と僕 3 【デント】 (ページ17)

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第百三話　離しませんページ17

No SIDE

デント「Aちゃぁあん！！」

『ごふっ？！』

ニダンギルに向こう岸まで運んでもらうと
早々に突進の如くデントは勢いよく抱きつき
スリスリとすり寄る

デント「よかったぁあ…無事でほんとに…！！」

『も、もう少し優しく…ぐぐっ

てか離れろ…っ

アイリス！！サトシ！！助けて！！』

力加減が出来ていないようで手足をバタつかせ、
サトシとアイリスに助けを求めるが

笑っていて助けてくれる気配がない

アイリス「今日は許してあげなさいよ
Aの事、心配しすぎて

ろくに寝てないし、
ご飯だって食べてないんだから」

『っえぇ…』

そんなことになっていると
全く思わずデントの顔を覗く

確かによく見るとデントは
喜んでいるがどこか疲れているように見えた

『…今日の夕飯、

私がやるから食ったらすぐに寝なよ』

デント「いや！！僕が作る！！

寒空の下、一人寂しく凍えていた
Aちゃんの
ために美味しいスープを作る！！」

『お前は何を言っているんだ…？』

デントの妄想に心当たりがなく首を傾げる

カレー作りで賑やかだった彼女には
全く当てはまらない言葉ばかりだから
そうなっても仕方ないだろう

アーティー「愛する彼女と感動の再会…

あぁ、
なんて美しい場面に立ち会えたんだろう！

僕の純情ハートを見事に撃ち抜いたよ！」

『(…何言ってんだ、この人)』

ぎゅーぎゅーと暑苦しい程に抱きつかれて
いる横でアーティーは目を輝かせ騒いでいる

その光景に困惑しつつも
解放されるのをただ待った

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あの後サトシはクルミルを仲間にし

アーティーにヤグルマの森の
出口まで案内してもらったのだが

『…もう森出たんだから離し「ダメ」』

森の中で
「もうはぐれないように手を繋ぐよ！！」と

押し切られてしまい恋人繋ぎで
ガッチリと繋がれていたのだが

森を出ても離してくれず

結局ポケモンセンターに
ついても離してはくれなかった

『(もう離してくんないかな…)』

サトシ「アーティーさん！
案内ありがとうございました！」

アーティー「いいのさ！

サトシくんとクルミルの友情…

そしてデントくんとAちゃんの
愛を見せてもらったからね

あー！インスピレーションが湧いてきたぞぉ！」

アーティーはそう言うと
マントを羽ばたかせ走り去ってしまった

デント「なんか、変わった人だったね」

『お前が言うか…』