第百一話 はぐれたあの子 ページ15
No SIDE
日が落ち始め
辺りが暗く、なってきた頃
デントたちはAを探している途中
ヒウンジムのジムリーダー
アーティーと出会っていた
アーティーにも協力してもらい
Aを探し続けたが見つからなかった
デント「…こっちもいない…か」
アイリス「デント…
もう日が暮れてきたし明日にしましょ？
暗い森の中を下手に動き回るのは危ないわ」
デント「…僕は…もう少し探すよ」
アイリスの忠告をデントは聞かず
ズンズンと森の中を進もうとするが
アーティーが肩を掴みそれを止めた
アーティー「デントくん、君の
健気な純情ハートは素晴らしいけど
夜のヤグルマの森は危険だ
だから今日は戻ろう」
アーティーの真剣な表情に
デントは首を縦に振るしかなかった
キャンプ地にしている
大きな大木に戻ってもデントの表情は晴れなかった
サトシ「きっと大丈夫さ！Aならさ！」
アイリス「そうよ！
Aなら案外しっかりしてるし！」
デント「…そうだね」
励まそうと声をかけても
デントの様子は変わらなかった
サトシ「…デントかなり落ち込んでるな」
アイリス「はぐれたのがAじゃ、
あんなに落ち込んでも仕方がないわよ…」
デント「…」
Aが心配で心配でたまらないせいか
夕飯も殆ど食べておらず
サトシとアイリスはそんなデントを気にかけていた
デント(っ…こんな事なら手を繋いどくんだった
きっと今頃…
寒空の下一人で寂しくブルブルと
ヨーテリーの様に震えているに違いない…
あぁ！！
なんて可哀相なAちゃん…！！
今すぐ抱きしめて目一杯甘やかして
温かいスープを作ってあげたい！！)
…
そして
その可哀相なAちゃんはというと…
『こらこら！！まだ煮込んでるから！！
近づかないの！！危ないから！！
ミロカロス！！食べ終わったら
遊んでやるから今はすり寄るな！！
あー！！ニダンギルつまみ食いしようとするな！！
ルカリオ！！その食いしん坊押さえろ！！』
カレー作りに没頭していた
なんなら賑やかだった
しかしそんなこととはつゆ知らず
デントは心配しまくっていた
デント「明日は必ず見つけるから待っててね…
Aちゃん…！！」
夜空に向かってまるでAに
問いかけるようにそう言うと目を閉じた
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作者名：ラム酒 | 作成日時：2022年9月26日 3時
