【zm】不器用で素直じゃない *ﾏﾝﾎｰﾙ ページ5
一言で言おう。私は隣の席の男が大嫌いである。
笑い方はキチガイまがい。タチの悪いイタズラ。無理やりご飯を食べさせる害悪。意見が全くもって合わない。そして女子にモテる。訳が分からない。
「おー今日もブスやな」
「お前ほんまいっぺん死ねや」
何かと私に突っかかりたがる所。ほんまイライラする。私も好きでこの顔になったんじゃありませんから！！
悪口を言われても無視して席に座って他の奴らと喋り出すゾム。こいつほんま人に暴言吐いてよく平気でおれるなぁ？
「つか腹減ったわ。Aなんか持ってへん？」
「お前にくれるモンなんか1つもない」
「はーほんま可愛くないわ」
「はー？？ばり可愛いやろうが節穴野郎」
ゾムとこんな関係になったのは同じクラスになってからだ。人生の不運を全て使った感あるね。だからきっとこれからはいいことだらけだ。うん、そう信じたいな。
「おはよーA！」
「お、おはようシャオロン！」
少し汗をかいて教室に入ってきたのは幼なじみのシャオロン。実は私が密かに片思いしている相手でもある。
野球部の朝練の後みたいで、まだ頬に砂がついていた。
「シャオロン、まだ砂ついてるよ」
「え？あ、ほんまや」
手で持ってあげると、ありがとなー、とニカッと笑うシャオロン。うぐっ、笑顔だけでもキュンときた。
朝から幸せだー、と思ってたのもつかの間。
突然緑のパーカーが私の机を勢いよく叩く。
驚いて上を見ると、私に背を向けた状態で、シャオロンとの間に割って入るように視界が緑一色で埋め尽くされていた。
「…っうわびっくりしたぁ、どしたんやゾム」
「…ああ、スマン。ちょっと目眩してん」
退けたと思った瞬間、ゾムと目が合った。ジトリと睨んだ緑色の目は揺らいでいて、何となくだけど何かにイライラしているように見えた。
ぷい、と顔を背け、気まずい空気に構うことなく教室から出ていく緑のパーカー。つか睨むだけでもう1人の被害者である私には謝りもせんのか。なんやねんアイツ。
「…うわー、ゾムこっわぁ」
「え？まあ音にはビビったよね」
「いや、そうやなくて…顔めちゃくちゃ怖かったわぁ」
顔？と首を傾げると、いやなんでもない、と自分の席へ戻って行った。
ああ…、せっかくのシャオロンとの時間がクソ野郎のせいで台無しだ。
と、思う反面。一瞬だけ見えたあの目がとても気になって仕方がなかったが、いくら考えても答えが出るわけなかった。
【ut】夏が始まる___dai→←【rb】好きな匂い─kec
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夢喰病 - 一話一話本当に素敵です…！私もこんな文才が欲しかった…(小声) 最後まで楽しく読ませて戴きました！最高の短編集をありがとうございましたm(_ _)m (2020年3月23日 10時) (
レス) id: 582bb38728 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - ショッピくんの「寝たい」の続編まってます！ (2019年10月13日 6時) (レス) id: e38fcc759c (このIDを非表示/違反報告)
蝋 - ん”ん”ん”好きです。(唐突) 表現が素晴らしいです…! 更新待ってます！ (2019年9月12日 1時) (レス) id: a160d0e24d (このIDを非表示/違反報告)
栄養失調 - 割と本気で語彙を下さい……えぇ……素晴らしい作品を見つけてしまった……更新頑張ってください！！めっっっちゃ応援してます！！！ (2019年9月3日 21時) (レス) id: 3967b4b60c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ギスギスしない夢女達 x他4人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tantanmen1/
作成日時：2019年8月31日 16時
