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「じゃあ、私はラモンジンフィズで」
「...マスター、カシスソーダとラモンジンフィズをお願いします」
カウンターに立つマスターは、かしこまりました、と浅く会釈してカクテルを作り始める。それを待つ間に、私は彼へと話しかけた。
「ラモンジンフィズって、どういう意味か知ってますか？」
「ええ、まあ」
「なんだあ、知ってるのか...」
「ふふ、こちらこそ、改めてありがとうと言っておくべきやなあって。ほら、魅力的な女性とお付き合いさせていただいてる以上」
少しがっかりした気分で頬杖をつくが、彼の言った言葉が少し引っかかる。いや、魅力的な、と形容された時点で少し気恥ずかしいのだが、それ以上に気になることがあった。
彼の言葉通り、ラモンジンフィズは感謝を意味する。いわゆる付け焼き刃的な知識ではあったが、私もそういう遊びをやってみたいと思い言った言葉であった。ではもう一つ、魅力的なというくだりはなんだったのかと頭をひねれば、受け売りの知識が一つのカクテルを暗示した。
「お待たせしました、お先にラモンジンフィズと、」
彼が頼んだそのカクテルは、
「カシスソーダでございます」
マスターが、二つのカクテルをカウンターへと置く。そのうちの一つ、ラモンジンフィズの方をエーミールさんは持ち上げ、彼の手元へと置いた。
「貴方、お酒強くないんやから無理しないで欲しいわ」
かわりに私のもとに置かれたそれは、彼が飲もうとしている方より1/3ほど度数が低いカシスソーダであった。
「それに、こういうのは相手が飲まないと意味ないやろ」
「......それも、そうですね」
渋々グラスを持ち上げれば、ほんのり赤くなった自身の顔が反射して映る。酒もまだ飲んでいないのに、本当にお子ちゃまだと自分でもつくづく思う。
「それじゃあ、」
「これまでの感謝も込めて」
乾杯、という合図の時、互いの赤くなった顔を隠すように。私達はお互いが選んだ酒を煽った。
「あなたは魅力的」
【shp】恋花を吐く(un)→←【em】あなたは魅力的__no
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夢喰病 - 一話一話本当に素敵です…！私もこんな文才が欲しかった…(小声) 最後まで楽しく読ませて戴きました！最高の短編集をありがとうございましたm(_ _)m (2020年3月23日 10時) (
レス) id: 582bb38728 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - ショッピくんの「寝たい」の続編まってます！ (2019年10月13日 6時) (レス) id: e38fcc759c (このIDを非表示/違反報告)
蝋 - ん”ん”ん”好きです。(唐突) 表現が素晴らしいです…! 更新待ってます！ (2019年9月12日 1時) (レス) id: a160d0e24d (このIDを非表示/違反報告)
栄養失調 - 割と本気で語彙を下さい……えぇ……素晴らしい作品を見つけてしまった……更新頑張ってください！！めっっっちゃ応援してます！！！ (2019年9月3日 21時) (レス) id: 3967b4b60c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ギスギスしない夢女達 x他4人 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tantanmen1/
作成日時：2019年8月31日 16時
