【d!】ギスゲバ荘の大家 (ページ18)

今日:9 hit、昨日:4 hit、合計:64,267 hit

18 ページ18

「ムスメ...？」

Aは立ち上がり怪訝な表情を浮かべた。

rb「はあ？沸いとるんかオマエ」
tn「なんかキメとるやろ」
gr「人違いでは？」

周りのメンバーも若干引き気味でコネシマを見る。

盗人と言われたゾムだけは顎に手を当てて何やら思案していたが、Aを見ると頷いた。
Aも同じように小さく頷く。

「コネシマさん。祖父とは私のこともお話しましたか？」

Aは先程のコネシマ宅での出来事とゾムの発言を思い出す。

「私のこと、祖父から面倒見ていただくようにとか言われたんじゃ...」

kn「いや、いやちゃうよ？そもそもあのー...Aのこと一切聞いてないからね？」

「でも、コネシマさん甘いもの食べないんですよね？なのに賞味期限の短い...しかも私の大好きなお店の大好きな生菓子が置いてあるなんて、偶然だとは思えません。やっぱり知ってて用意してくれたんじゃないんですか？」

おいしい食べものをくれる人が悪い人だとは思いたくなかったのでAはコネシマに縋りつくように尋ねた。

コネシマはギギギ...と錆びついたロボットのように首を動かしてAを見ると、観念したのかぽつりと話し始めた。

kn「じいさん...やたらとオマエの話ばっかしよってな。最初の頃は正直孫自慢多くて煩わしいなー思って聞き流しとったんやけど...A、親いないらしいやん」

その発言に周りの面々がザワリと反応するが、当のAは首をかしげた。
確かに両親ともにあちこちに出かける機会が多いため留守にしがちではあるが、存命だしネグレクトだったわけでもない。
むしろ少ない時間だが休みの日はいっぱい遊んでもらった記憶のほうが強い。

沈黙して考え込んでいると、コネシマはガバっと顔を上げ子犬のような表情でAに迫って来た。

kn「それで俺はシンパシーを感じてん！そっから色々また聞いてな、したら俺さぁ、なんかいつのまにかAに感情移入しちゃってさぁ。
じいさんの話聞く度に、ええ子やなぁーかわええなーって思うようになっててん。
そんでしばらくして新しい大家としておまえが来る言うから、俺はもう、わっくわくして待っとったわけよ！！」

この人はもしかして両親がいないのかな。
眩しささえ感じるほどの笑顔で言い切ったコネシマを本当は親のいるAは複雑な思いで見つめる。

「つまりその、親心的なものってことですか？」

kn「親心...おんそうやな。護ってやりたいなぁって思たね」