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無(自覚)個性のお話/MHA ページ18

生まれ変わったら赤子だった。

なんてよくアニメとかである展開だ。それが今、私の身に起こっていた。
アニメ、と例を挙げたが、こう例えた方が更に現状を説明できるかもしれない。

夢小説、と。

そう。私はまるで夢小説の主人公かのような体験をしている。
生まれ変わったら赤子だった。
その生まれ変わった世界が、前世の私がドハマりしていたアニメの世界だったのだ。

僕のヒーローアカデミア

ご存知の方も多いと思う。それ程に有名な作品だ。
いや嬉しい！嬉しいけど！！なかなかに危険な世界！！

兎にも角にも第二の人生なのだから、そう簡単に終わらせてしまいたくはない。
だから私は一般人として、平穏に、身を潜めて過ご……

「はじめまして！えっと、ぼく、緑谷出久っていうんだ！」

私は今猛烈に新両親に感謝の念と怨念を抱いている。
私をこの幼稚園に入園させてくれてありがとう！！！！そして何故入れたし！！！！！

今私の目の前で天使のスマイルをして手を差し出してくれているこの物語の主人公である彼。
この手を取ってしまったら恐らく私は後戻りができなくなるような気がしてならない。
それ程にフラグがビンビン立っているように思われる。
この小さくて柔らかくてふにふにしてそうなおててに！！それ程の！！！フラグが！！！！

「はじめまして！わたしはAA！よろしくね！」

ま～～～抗えませんよね～～～～！！
しっかりと柔らかおててと握手を交わしました！えへへ！！
よく考えてみてもほしい。今ここで目の前でキラキラとした目を向けてくる愛らしい少年の手を無視またはパシンと払いのけるなんて鬼畜なことできますでしょうか？
いやできない(反語)。
というか外見がコレ(幼稚園児)だからそこまで問題視されないだろうが、その行為は児童虐待ぞ？許さない。私が。

私は彼のこの輝かんばかりの笑顔が大好きだ。
もう開き直ろうじゃないか。私は彼の隣でこの笑顔を見て生きたい。
プロポーズみたいになったけど違います。純粋に主人公の幸せそうな顔を見ていたいだけです。

ほら見て下さい！今もこうしてる間に彼ははにかんで、「うん！よろしくね、Aちゃん！」と言ってくれている！！
これだけでもうこの世界に生まれてきて良かったって感じ。

なんてここまでこの幼稚園の中で、恐らく大人を含めても最も私が邪な考えを持っている人間と言えよう。

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