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地下のお話 1/地下御伽噺ページ1

私は巨大な穴へと落ちた。
何故かは忘れてしまった。
ひゅるひゅると真っ逆さまに落ちてしまったのだ。
落ちて落ちて、気が付いたら黄色い花畑の上にいたのだ。

それからは、なんとなく『わたし』にも分かるんじゃないだろうか。

優しいTorielママは、ずっとずっと私をRuinsのHomeに置いてくれた。
引きごもりがちの私にわけも聞かず、優しく、けれど時に厳しく接してくれた。

1回目はわけも分からずに終わっていた。
TorielママがFriskという人間が来たのだと言っていたことは記憶している。

2回目に、またTorielママがFriskが来たと言ったことに疑問を抱いた。
まるで彼女は、初めて彼が来たかのように話す。
けれどずっと引きこもっていた私は彼とは面と向かい合ったことがないため、同じ名前の別人であると思い込むことにした。

それから少ししてから、出かけていたTorielママがFriskという人物と戻ってきて、地上へ行こうと言った。
そこで私は初めてFriskという少年と顔を合わせた。
彼は少し驚いたような顔をしていたけれど、すぐに人の良さそうな笑みを浮かべてこちらに手を差し伸べた。

その手を取って地上に出た後の記憶が曖昧だ。

3回目。
目が覚めるとHomeだった。
地上に出た筈だったが何故か見慣れた景色の中にまた私はいた。
Torielママにそのことを話してみたが、あまり良い顔をされなかったため、全て夢だったのだと思った。

それから間もなくしてまたFriskが来た。
今度こそ異変に気が付いた。
Torielママはまた彼と初めて会ったかのように接していた。
今回は紛れもなく同名の別人ではなく、同じ顔のFrisk本人であることを私はこの目で確認した。
けれどFrisk自身も記憶がないようで、私を見てもただ首を傾げるだけだった。

翌日。
目覚めたら誰もいなかった。
Torielママを探したがどこにもいない。
Friskもいなかった。もしかしたら彼はRuinsを出たのかもしれない。
それではTorielママは？

もしかしたらFriskと共に出かけたのかもしれない。
だが何故か今日、今日だけは、嫌な予感で胸がいっぱいになった。
この、目の前の塵と何か関係があるのだろうか。

そこで私は初めてRuinsを出た。
重たい扉を開けて、見知らぬ世界へと立ち向かったのだ。

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