夜の世界の殺し屋たち。 (ページ48)

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【樹】

今回、俺が殺った組長はかなりパパにお世話になっていた後輩だった。

それなのにそんな先輩に自分の罪を擦り付けるとは理解出来ない。

だから、あいつは自分が殺されるのが怖くてパパを『話がある』と呼びつけて殺した。

その時、．．．.パパがあいつに呼び出された時の言葉を俺は今でも覚えている。

『久しぶりにさ、あいつが俺に会おうって言ってきたんだ。樹も覚えるだろ？だから、今日の夜は深夜になると思うから作っておいたご飯食べてな。』

そうパパに言われた通り、当時の俺は作り置きされた夕食を食べて部屋で好きなように過ごしていた。

すると数時間後、家に電話が掛かってきて。

そうしたら『パパが何者かに殺された』っていう連絡が警察から入った。

当時、俺は中学二年生。．．．.葬儀は会ったこともなかったばあちゃんと一緒にやって、中学卒業まではばあちゃんと一緒に住むことになった。

なんでばあちゃんに会ったことがなかったのか。

それはパパが極道の世界に入る、と聞いてばあちゃんが反対していたけどそのまま反対を押し切ってパパはその世界に足を踏み入れてしまって、そこから全く会っていなかったらしい。

だから、必然的に孫の俺がいることも知らなかったそう。

ばあちゃんはいつでもパパと会ってもいいって思っていたそうだけど、パパの方からは連絡すらもいれなかったらしい。

．．．.まぁ、そのばあちゃんも俺が高校生の時に病気で亡くなっちゃったけど。