夜の世界の殺し屋たち。 (ページ47)

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【樹】

パパが極道の道を退いてから約8年後。

俺は小学校を卒業して中学校に入学していた。

小さい頃から俺が見てきたパパの印象とだいぶ変わりつつあった時にあることが起きて。

パパが元々入っていた事務所で事件が起きた。

詳しいことをパパは俺に話してくれなかったから未だにわからないんだけど、他の組にこの事務所の機密情報が漏れてしまったらしい。

それで、上層部は犯人捜しを始めた。

もし犯人だとバレたら殺される、なんてことは当たり前だったからそれは誰も名乗り出るものはいなかった。

だが、上層部の調査でその犯人の正体が簡単にわかってしまった。そいつは．．．.あの殺した組長だ。

頻繁に他の事務所の出入りやその構成員との接触、全ての証拠が揃い、もう命はないとされた。

．．．.でも、そいつがある嘘をついたことで事態は急変。

『タナカさんに言われたからやっていたんです！もう何年も前に退きましたけど、ずっと脅されてて．．．.。情報を漏らさなければお前の命はない、と言われてたんです！』

と、ありもしないことを言った。

勿論、上層部はこいつの言うこと信じない．．．.と思っていたが、結果は違う。

両方信じなかった。

だから、上層部は『お前が本当に脅されていた、と言うんだったらそいつを殺してこい。もし殺せなかったらお前が嘘をついてることになる。そうしたらこっちが殺す。』ということを言ってきた。

ちなみにこの話はその時、事務所にいたパパにお世話になった後輩から大人になってから聞いた話。