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【慎太郎】
依頼を終えた後、車を運転していた高地が何も言わずにある場所に俺らを連れて行った。
高地「着いたよ、樹。」
ここは樹が数日前に来たお父さんのお墓で、樹は目を真っ赤にしながら静かに車から降りるとそれに続いて俺らも車から降りた。
初めて、ではないけど樹のお父さんに俺らが会うのは指で数えられるくらいで決して多いものではない。
俺自身、あんまり樹のお父さんの元に行くのは少し申し訳ない気がして今まで樹に誘われるまでは断っていた。
樹に連れられてお墓の元へ行くと樹はお墓の前にしゃがみ込んだ。
樹「....ねぇ、パパ。やっと終わったよ。やっと....遅くなってごめんね。」
さっきまで泣いていたのにまた樹は涙を流した。
樹「....パパに言われたこと、守れなくてごめん。こんな息子に育ってごめんね。....何も出来なくてごめん。」
何度も何度も涙を流しながら謝るからジェシーが樹の隣にしゃがんで肩を抱いていた。
樹の過去のことは大体知ってる。
だけど、樹は人一倍お父さん思いで優しい。
世間一般から見たら樹はちゃんとした大人ではない、と言われてしまうかもしれない。でも、俺はそうは思わない。
毎年ちゃんと命日にはお墓参りをしに来てる。
それはお墓に花を手向けていることが何よりも証拠になるだろう。
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作者名:Nana 6022 | 作成日時:2021年2月28日 23時