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【樹】
ハルトくんの一件から数週間が経って、俺らはいつも通り依頼を待っていた。
俺らの需要がなくなってしまったのか、それとも単に人のことを憎む人がいなくなったのか。
俺が想像しているよりも依頼はたまにしかこなくて、正直、これで食べていけているのが不思議なほど。
慎太郎「あ、そういえば樹、」
樹「ん?」
慎太郎「あれだよね?樹のお父さんの命日。」
樹「あぁ、そうだよ。」
慎太郎「これ、俺も花買ってきたから持ってて。」
樹「え、こんなことまでいいのに。」
慎太郎「せっかくちゃんと家族って言える人がいるんだからさ、俺は大事にしてほしいし。」
俺のパパの命日まで覚えているメンバーはちょっと怖い(笑)。
....いや、正直言ってすごいありがたいんだけど。
俺のパパは大体十年前に亡くなったから、それからずっと俺が命日にお墓参りに行っている。
こんな職業でお墓参りに行きそうじゃないでしょ?
だけど、俺は一人の殺し屋としてじゃなくて命日の日だけは一人の人間としてパパに挨拶しにいく。
こんなことしてるやつが墓参りに行っていいのか、って話だけどね。
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作者名:Nana 6022 | 作成日時:2021年2月28日 23時