夜の世界の殺し屋たち。 (ページ34)

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【北斗】

自分の部屋から戻ってきた樹は俯いたまま俺らの元に戻ってきた。

高地「樹、どうだった？電話してきたんでしょ？」

樹「．．．.お願いがあるんだけど、」

慎太郎「なに？」

樹「今回の殺る奴らの組長、俺に殺らせてくれない？」

突然の樹のこんな発言に俺も驚いて樹の方を見た。

慎太郎「それは別にいいんだけど．．．.本当に一人で大丈夫？」

樹「．．．.大丈夫。出来るはずだから。」

かなり追い詰められているような表情をしたまま話す樹だから、俺は見ていて少し疑問に思った。

こんなことを普段から樹は頼むような奴じゃないし、それこそこんな表情はあまり見たことない。

北斗「どうして樹は自分一人で組長を殺りたいの？」

樹「．．．.俺のパパを殺した犯人だったの。今、電話で真実を聞いてきた。」

だから、樹はあの組に依頼を頼んでいたのか．．．.と納得した。

樹「パパがあいつに殺されてから俺が依頼したんだ。まぁ、本当に取り合ってくれるなんて思ってなかったから金と名前だけ教えて帰ったけど。そうしたら今日、何年越しかにこうして電話で事実を知って。そうしたら、今回殺る奴らの組長がパパを殺した犯人だったんだ。」

樹が今まで隠していた真実を語ってくれたけど、俺らはしばらく黙っていた。

．．．.いや、何も言えなかった。今、彼は復讐心に燃えている。

自分が復讐した身だからこそ、その気持ちは痛いほどわかっているつもりだ。

しばらくの沈黙が続いた時、ジェシーが口を開いた。

ジェシー「いいんじゃない？思う存分、樹の好きなようにやりなよ。」