白鳥沢にはもう一人一年レギュラーがいました 【男主】

Ｎｏ．４２ ページ46

第２ゲーム


さすがは大学生と言ったところか、負けてしまった



あの後俺の出番は無く、その代わり工はフルで出ていた



もっと試合出たかったな……



その後体育館を借りて各自で自主練をしている時
俺は工のことが気になって仕方なかった



A｢おい工｣


五色｢はぁ……はぁ……｣



今日のゲームで自分が犯した失敗を攻めるように、がむしゃらに自主練をしている工


レシーブ
スパイク
サーブ


もちろん俺も手伝ったが、休憩無しですでに１時間以上が経っている



A｢今日はこのくらいにしよう｣



五色｢いや……まだまだだ

もっと練習しないと……｣



A｢気持ちはわかるけど、オーバーワークだ

明日に響く｣



五色｢っっ！！……お前はいいよな、才能があって

今日だってスパイクガンガン止めて、結果出せて｣



工……


違う、俺は才能なんてない



A｢工、そんなに結果を焦るなよ

今日先輩たちと合わせたばっかりなんだし……｣



五色｢先輩に合わせるとか！馴染めてないとかそういう問題じゃない！！｣



A｢っ！！｣



五色｢見ただろ！？今日の俺、スパイクもサーブも狙われて！！

俺が白鳥沢の穴だと思ったから狙ったんだよ！！レシーブも下手くそで……


これは俺の個人技術の問題なんだよ！！


Aにはわからないだろ！！俺の気持ちなんて！！｣



A｢工……｣



工の言葉が深く俺の心に刺さった



家族にバレーを反対された時よりも苦しくて、悲しい



ショックだった
初めて出来た高校での仲間である工にそこまで言われると思わなくて



A｢ごめん……｣



俺はそれだけ言って、体育館を後にした

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