白鳥沢にはもう一人一年レギュラーがいました 【男主】

番外編１ ページ30

〜迷子の女の子〜



今日はオフ


学校も終わって、みんな各々充実したオフを過ごしているが


俺は若利さんとロードワークだ



牛島｢……｣


A｢はぁ……はぁ……｣



相変わらず付いていくのは大変だけど、前よりは全然楽になった


朝と違って余裕があるため、今日はコースを変えて店や住宅街が並ぶ賑やかな場所へ来てみた



が



｢おかぁさん…………(ﾋｯｸ)｣




迷子(らしき)女の子を見てしまった



いや、どう見ても迷子だよな
お母さんって言って泣いてるし………



A｢すみません若利さん、ちょっとあの子困ってるみたいなんで、話しかけてきます｣


牛島｢そうか｣


ロードワークを中断して、女の子に近づく
怖がらせないように目線を同じくするためしゃがんで



A｢どうしたの？大丈夫？｣


｢お母さんがいないの……｣


A｢そっか……最後にお母さん見たのはどこ？｣


｢あっち｣



女の子はゆっくりと向こうの道を指した


ははは、あっちか



A｢お兄ちゃんが一緒に探してあげるから、ね？
お母さん探そ？｣


｢うん……｣


牛島｢その少女の母親を探すのか｣


A｢はい、やっぱり迷子みたいで
若利さん、先に行ってても大丈夫ですよ？｣


牛島｢後輩と困っている奴を置いて行く訳ない｣



若利さん……


かっこいいな、おい



A｢俺、Aって言うんだ
君の名前は？｣


｢夏……｣


A｢夏ちゃんかー
夏ちゃんはここら辺に住んでるの？｣



夏｢ううん、今日はお母さんと"かいたく"しに来たの｣



かいたく？

開拓ってことか？


ここら辺に住んでないってことは、お母さんも土地勘がなくて探し回ってるよな……



夏｢わぁ！！？｣


A｢若利さん！？｣



すると突然若利さんは夏ちゃんを肩車し始めた



A｢どうしたんですか！？大丈夫ですか！？｣


牛島｢こうしたほうが目立って母親も見つけやすいだろ｣



いやそうだけどさ……


女の子を肩車する若利さん



シュールすぎるだろ



夏｢高い！高い！(ｷｬｯｷｬ)｣



まぁ夏ちゃんが泣き止んだからいっか

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