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BHside
「買いすぎた…(笑)」
いつも利用しているスーパーに行く途中、
少し遠回りしたところにあるディスカウントストアでたまたまやっていたタイムセールにつられて足を運んだら、そうなった
まあ別にあって困るわけでもないし、いっか
食わなきゃ生きていけないのが高校男児！
多少多く感じるけど精つけるためにひたすら食ってやるぜ！！
「あ、そーだそーだ。風邪薬も買うんだった」
家に向かっていた足をキュインと方向転換
これから行く薬局は一駅先のところにあり、ここらじゃ一番安く買える
つっても大した金額の差はないのだけど、安いに越したことはないからね
だけどその薬局の向かい側にはAとミンソギヒョンが働く１００均があるのだ
あいにく信号はそのそばにあるから、一度店の前で足を止めなきゃいけない
二人のシフトはほとんど被っているらしく、
つまり、もしかしたら目撃される可能性もあり、また俺が目撃してしまう可能性もある
ぶっちゃけ気が進まない…
どうか二人に会いませんように！ってこっそり願いながら１００均の前で足を止めた
恐る恐る振り返ると…
よかった
今日はシフトじゃないみたいだ
主婦っぽい人とずんぐりむっくりした男の人しかいなかったから一安心
信号が青になったらすたすた渡り、店の入り口付近に貼り出された“特価”という字に例の如くつられて大量買いしてしまった
俺ってことごとく“セール”とか“特価”とか“値引き”って言葉に弱いんだよな
思考が女子っていうか、主婦っていうか…
女装のしすぎかな？(笑)
軽くなってしまった財布に後悔しつつ信号で止まる
目の前を通り過ぎていく自動車を数えていたら信号は青に変わった
俺よりも早く歩く人が掃けていくと、隙間からしか見えなかった光景は
信号を渡りきったときには全貌が見えるようになった
Aの髪を愛おしそうに撫でるミンソギヒョン
嬉しそうに、照れくさそうに、ほんのり頬を染めているA
お似合いすぎるその姿を見て、二人がどんな関係にあるかすぐに分かった
ミンソギヒョンも水くさいな
告白が上手くいったなら俺に教えてくれたって良いのに……
祝いの言葉は笑顔と共に贈りたい
けどこんな引きつった顔じゃ怪しまれてしまう
俺の煮え切らない感情がAをなんとかして繋ぎ止めようとしてたけど甘かったらしい
「断ち切らなきゃ……完全に断ち切らなきゃ」
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作者名：ウサン | 作成日時：2016年8月8日 8時
