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年明けの学校
教室に入った途端、新年の挨拶よりも先にかけられたのは全くもって失礼な言葉だった
「「Aが女の子になってるー！！！」」
「ちょっ、まるで私が元々男だったみたいな言い方ひどくない！？」
「いやいや、これは大ニュースだって！みんなに言いふらしてこよ！！」
と数名の男女が廊下に出て行って、その足の速いことにはもはや止める気力もおきなかった
つーか私的にはクラスの優等生委員長の髪が金髪になっていることの方が大ニュースに思えるんだけど…
この冬に委員長の身に何があったんだ？(笑)
「そんな驚くほど私変わった？」
傷んできた毛先を切り揃えてもらって、
乾燥してきたからベクに買わされた薄ピンクのリップクリームを塗ってるだけ
たかがそれだけなのに何を驚いてるのかさっぱり分からない
「変わったよ！なんか今までは“ちょっと綺麗な男！”って感じだったのに、急に美人になったんだもん。もうびっくり！」
「いや、別に美人じゃ…」
その先の言葉は女子からの無言の圧力で引っ込めざるを得なかった
「ベクヒョンはこれを分かってたってわけかー」
「本当それな。まったくやらしいぜ」
男子陣がぼそぼそと話しているのが耳に入るけど、何を言ってるのかさっぱり分からん
「でも恋の力ってのはすごいんだね〜」
バシッと肩を叩かれて言われたことに、ドキッとする
「こんなに可愛くなったんだから彼氏と何かあったってことでしょ？」
ああ“彼氏”か
ニヤニヤしながら惚気話を待つみんなには悪いけど
「別に何もなかったよ」
彼氏としては…ね。
「え、じゃあ自力でこんなに？」
「…すごく素敵な……女友だちができたんだ。
その人が私に色々教えてくれた」
「へぇ〜」
「なに、その言い方。言いたいことでも？」
「いやぁ、ねえ…だって顔が異様に赤いから」
「え、嘘？」
「やっぱりAって見た目がそんなだけに、女の子のことが…」
「んな、お前ら揃いも揃って何言ってんだよ////
私はノーマルだっつーの！ソイツはただの友だち！！」
「冗談だってww本当Aってからかい甲斐があっておもしろいわー」
冗談でも、実際半分当たってるからマジでやめてほしい
はぁ、まだまだだな
考えるだけで照れるとか、意識が足りてないや
「本当にただの友だちだから」
誰に聞かせるわけでもなく今度は自分のためにもう一度呟いた
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作者名：ウサン | 作成日時：2016年8月8日 8時
