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BHside
本当はずっと前から気づいていた
時々胸の奥でうずくこの感情の名が何か
だけど、“親友だから”って言葉で覆い隠して、知らないフリをしていた
でももうこんなことになったし認めるよ
俺はAが好きだ
いつからかなんて全く覚えてない
始めは黙っててもらうための監視と、厄介払いと、面白そうだからって理由だったけど
時間が経てば経つほど確実にAの存在は大きくなっていって
気づいたら“女友だち”から、“親友”から、それ以上のものに変わっていたんだ
男みたいな口調
がに股歩き
そんなんだから男らしいのかなと思ったら
わりとうじうじしてたり、妙に純粋だったり、本人は気づいていないだろうけど意外と乙女なところもあったり…
欠点のように思える箇所もそうでない箇所も含め、全てが愛しい
こんなに可愛い俺が、こんなに女子力皆無の女に骨抜きにされるなんて思いもしなかったな
唇を離すとAと目が合って
今さらながら自分のしたことの大胆さに恥ずかしくなったからまた抱き締めた
「A……大切な人って言ったけど、それってどれくらい？」
「分かんない」
「一番かそうじゃないか」
「たぶん一番…」
「そっか」
それだけ聞ければ十分
「俺も…俺もAが一番大切」
耳に口を寄せて囁くように伝える
願うならキミを幸せにする役目は俺が担いたい
だけど…
『好きなんだ』
キミにはもっとふさわしい人がいる
そして幸いにもその人はキミを想ってくれてるみたい
だから膨らんでしまったこの気持ちは無理矢理元のところに押し込むよ
カーンカーンと電車の踏み切りの音がして、薄暗いこの場所に赤い光が点滅する
「わ、私もう帰るね」
Aが俺の胸を押して、下に置いていたリュックを背負う
そして逃げ出すように改札へと走ったかと思えば
思い出したように立ち止まってこちらを振り返り、手を振った
「メ、メリークリスマス！」
震えた声は戸惑いの証
それでも自分の役目を最後までやり遂げるAの真面目なところに
また、“好き”が降り積もっていくばかり
でもそれじゃ切りがないね…
だから俺は
「メリークリスマス」
そして
「…さようなら」
離れようと思う
キミがミンソギヒョンと結ばれるその日を、笑顔で迎えられるように…
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作者名：ウサン | 作成日時：2016年8月8日 8時
