Mr.Princess #2 (ページ25)

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何を買うか迷った結果
翌日、電気屋で見かけた人気のヘッドホンを買った

色は個人的なベクのイメージで赤

たかがヘッドホンなのに一万近くもするなんて…

財布から紙ぴらが飛んでいくのを見送りながらそんなことを思った

そしてその足でバイトへ直行

ミンソクさんは私の前の時間帯だったらしく、店に入ったときにレジ打ちしてるのが見えた

あ、鼻に赤いボンボンつけてる

店長に付けろって言われたのかな

ミンソクさん何気似合ってるけど
本人は恥ずかしいだろうな、可哀想に…

他人事のように思いながら嫌々サンタコスに着替える

パタンとロッカーを閉めて振り返ったら、女の先輩がニコニコしながらソレを持っていた

「ボミさん、何すかソレ」

「鼻に付けるボンボン」

「ボミさんが付けるんですよね？」

「そんなわけないでしょっ。はい付けて♡」

と言うか無理矢理付けましたよね？？

「ボミさん、これで仕事しろって本気で言ってます？」

「だって店長命令だから」

って言ってるけど発案者絶対あんたでしょ

うっすら感づいてたけどこの店おかしい！

悪い人たちではないけどさ、悪ノリがすぎるよ

やっぱりお母さんの知り合いなだけあってただの店じゃなかった…

我慢しながら仕事をすること一時間

「クラッカーが棚にないんですけど、在庫ってあります？」

とお客さんに聞かれ、倉庫に取りに行った

そっか、昨日今日とクリパやるのでクラッカーとかパーティーグッズを急ぎで買いに来るから売れてるのか

倉庫に入ったらびっくり、
とっくに帰ったと思ってたミンソクさんが私服で何かしてた

「お、Aちゃん。Aちゃんもボミさんにやられたんだ(笑)」

“も”ってことはミンソクさんもボミさんにやれたのか

「はい(苦笑)
ミンソクさんは何してるんですか？」

「この後、友だちと出かけるんだけど、そいつが迎えに来るからって言ったのに少し遅れるって電話してきて。暇だしここ汚いから掃除しよっかなぁみたいな？」

「給料出ないのに偉いっすね」

私だったらいくら暇でも絶対やんない

「趣味だからね。Aちゃんは？」

「あ、クラッカーってどこにあります？」

「それなら…」

わざわざ取りに行ってくれたミンソクさん

「はい」

「ありがとうございます！！」

うー優男すぎますミンソクさんっ！