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BHside
久しぶりに面と向かって話すからどうなることかと思ったけど、案外大丈夫そうで安心した
はぁ…チケットが無駄にならなくて本当良かった
Aには嘘吐いたけど実は遊園地のチケット、
双子コーデがしたいという理由でけっこう前に自腹で買ったのだ
“それ相応のお返し頼むよ”みたいなことを言ったけど、そんなのいらない
Aの時間を買えて、念願の双子コーデも楽しめたんだから、俺にとっちゃ二万円なんて安すぎるくらいだ
ってはずだったんだけど
ここで問題が発生
本当に注意して見なければ分からない程度なのだけど、
俺が近づいたり、ボディータッチすると、心なしか一瞬だけAが女の子の顔になるんだ
今だってほら
「じゃあ冬休み遊ぶ時間減るのか」
俺は友だちとして言ったつもりなのにほんのり頬を赤く染めて押し黙ってるし
これは確実に事故キスが影響してる
ﾁｯ…これだから免疫のないガキは面倒くさい
早めに手を打っておかないと
ピピッとAの腕時計が鳴る
スポーツタイプの可愛げないやつで、普通の女ならゴツ過ぎてしまうのだけど、Aだから似合う
「何時？」
「私の時計二分早いから、4時58分ぐらい」
「じゃあもうすぐだな」
「？」
Aが不思議そうに俺を見ているから、窓をつついて外見てろと合図する
その間に観覧車は少しずつ頂上へと上っていく
お、これは絶好のタイミングで見れるかもしれない
「ねぇ、何かあるの？」
痺れを切らしたAが俺にそう尋ねてきたときだ
ゴーンゴーン
園内に鐘が響きわたる
それと同時に今まで点いていた電灯はふっと消えて、全てが見えなくなった
「え、停電！？」
観覧車動いてるから停電はないだろってーの
それでも不安そうにしてるからキュッと手を繋いであげた
「3、2、1…」
一気に点いたイルミネーション
さっきまで乗っていたジェットコースターもコーヒーカップも
まるで輝く宝石のように目映くて、美しくて
何度見てもうっとりする
Aはそれらに魅入っていて、俺が隣に移ったのに気づかない
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作者名：ウサン | 作成日時：2016年8月8日 8時
