第21話 世界1 ページ22
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───思い出した。Aの1番好きな食べ物。俺は自分の手元に握られているチョコパンを見る。
Aの影響で食べるようになった購買のチョコパン。Aが溺愛するこいつがどんなものかと食べてみたのが始まりだった。
「岩ちゃん!ちょっと急用!」
「おー」
教室へ向かって走る。
なんで忘れちゃってたんだろ。Aとの出会い。
「あー!ほんとダメだ俺!」
教室に着き、Aを探す。すぐに友人達とご飯を食べるAの姿が目に入った。
ずっと前から変わらず愛おしい彼女の手には、一口かじられた牛乳パン。
「また…見つけられなかったの?」
自然と緩む口元。俺はチョコパンを片手に、Aに歩み寄る。
「ねぇ、これ交換しない?」
「え?」
驚いたように振り返るA。俺はそんなAに微笑みながらチョコパンを差し出した。
「あ…チョコパン…」
「これ最後の一個だったんだ。牛乳パンは売り切れてたけど」
明るくそう言うと、Aは自分の手元の牛乳パンを少し見つめて、俺を見上げた。
「…ごめん、もう食べちゃってる」
「なーに言ってるの、俺的にはむしろラッキー」
ひょいっとAの手から牛乳パンを取ってチョコパンを渡す。Aは無言で受け取った。
「…………ねぇ徹。私の───」
「うん思い出した。Aの1番好きな食べ物」
Aはなんとも言えない表情を浮かべる。今さら思い出しても遅いかな…?
「…Aは、チョコパンが世界で1番好きなんだよね?」
静かに頷くA。申し訳ないような悲しいようなそんな感情で俺の胸が締め付けられた。
「今日の放課後、屋上に来てくれる?」
「え?」
「待ってるから」
そう言って俺は数秒だけAを見つめた。名残惜しいけどその場から離れる。
「────…ちゃんと言うからね」
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白鈴(プロフ) - 利人さん» 及川〜(笑) ありがとうございます 嬉しいです(o^^o)これからもがんばります!! (2017年3月24日 1時) (レス) id: 63f0029977 (このIDを非表示/違反報告)
利人 - あれ…及川………カッコいい… すごく感動しました!これからも頑張ってください! (2017年2月17日 18時) (レス) id: e5d1b4c8ae (このIDを非表示/違反報告)
白鈴(プロフ) - 小悪魔たんさん» わ〜ほんとですか( ; ; )そう言っていただけて光栄です!とても嬉しいコメント感激してます!こちらこそ、読んでくださりありがとうございました!! (2017年2月6日 22時) (レス) id: 63f0029977 (このIDを非表示/違反報告)
小悪魔たん(プロフ) - なんか、もう!超超超よかったです!!私、こんなに目が離せなくなったの初めてです!もう読んでてドキドキしました!こんな風にコメント書いたのも初めてです!こんなにいい小説をありがとうございました!!!! (2017年2月4日 15時) (レス) id: 5c5226b33f (このIDを非表示/違反報告)
白鈴(プロフ) - pipiさん» 返信遅れてしまい申し訳ありません!とても嬉しいコメントに、この小説をかいて良かったなと思いました( ; ; )テッシュ郵送するので住所教えてください(こわい) 読んでくださりありがとうございました! (2016年12月7日 20時) (レス) id: 63f0029977 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白鈴 | 作成日時:2015年5月10日 21時