第16話 大切な君へ ページ17
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口を開けて岩ちゃんを見ると、呆れたような表情を返された。
「俺はお前がフラれた話、小中高と腐るほど聞いてきた。そいつらお前になんて言ったよ」
「え?えーと…あんま覚えてないけど。『バレー馬鹿』とか『イメージと違う』とか『冷たい』とかだった気が…」
「おう。別れる時のそういうのって、大体似てくるもんだろ?」
「まあ、確かに…」
そういえば今まで、フラれたことで辛いとか苦しいなんて微塵も感じたことなかったな。
「でも泣いてたのは、Aは初めてじゃねぇか?」
「え────…」
そうだ。俺の記憶にあるのは、呆れたような軽蔑したようなそんな表情ばかりで。
別れ話で泣いてたのは、Aが初めて。
「なんでAは泣いてたんだよ」
「なんで…?」
確か『俺のこと好き?』って聞いた後。
『大嫌い』って言いながらAの目からは涙が落ちた。
「あとお前。一方的に聞いてばかりで、ちゃんと自分の気持ち伝えたのか」
「……ううん、全然言ってない」
「自分の気持ちあんま伝えないの、お前の悪い癖。だから心残りだってするんだろ」
「………そうだね」
悔しいぐらいの正論。確かに今のままじゃ後悔しか残らない。何より大切な彼女だから…
俺の気持ち、Aにはちゃんと伝えておきたい。
「ありがとう岩ちゃん、言うだけ言ってみるよ」
「そうしろ。でもお前のことが嫌すぎて泣いてた可能性もあんだから、調子乗んなよ!」
「だから一言多いって…!」
でも少しだけ、ほんのちょっとだけ気持ちが前向きになったよ。ありがとう岩ちゃん。
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白鈴(プロフ) - 利人さん» 及川〜(笑) ありがとうございます 嬉しいです(o^^o)これからもがんばります!! (2017年3月24日 1時) (レス) id: 63f0029977 (このIDを非表示/違反報告)
利人 - あれ…及川………カッコいい… すごく感動しました!これからも頑張ってください! (2017年2月17日 18時) (レス) id: e5d1b4c8ae (このIDを非表示/違反報告)
白鈴(プロフ) - 小悪魔たんさん» わ〜ほんとですか( ; ; )そう言っていただけて光栄です!とても嬉しいコメント感激してます!こちらこそ、読んでくださりありがとうございました!! (2017年2月6日 22時) (レス) id: 63f0029977 (このIDを非表示/違反報告)
小悪魔たん(プロフ) - なんか、もう!超超超よかったです!!私、こんなに目が離せなくなったの初めてです!もう読んでてドキドキしました!こんな風にコメント書いたのも初めてです!こんなにいい小説をありがとうございました!!!! (2017年2月4日 15時) (レス) id: 5c5226b33f (このIDを非表示/違反報告)
白鈴(プロフ) - pipiさん» 返信遅れてしまい申し訳ありません!とても嬉しいコメントに、この小説をかいて良かったなと思いました( ; ; )テッシュ郵送するので住所教えてください(こわい) 読んでくださりありがとうございました! (2016年12月7日 20時) (レス) id: 63f0029977 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白鈴 | 作成日時:2015年5月10日 21時