【銀魂】彼女の小指には赤い糸が沢山ある【沖田総悟】

浮気相手が、40人目 ページ40

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あの後、先生が来て私が
数日眠ってた事を知らされる。

一週間かけて治療と検査の末、私は退院した。

病院に居る間、神楽ちゃんや新八くん
銀時がお見舞いに来てくれた。
けれど、沖田くんや副長は来てくれなかった。

きっともう話す事は無い。



「あっつい…」



万事屋の窓から覗く外は
陽向と日陰がハッキリしている。

季節は夏だった。

江戸の町を眺めると汗を拭う人や
アイスを食べる人、日陰で休憩する人
色々な人が居た。…相変わらず、平和ボケした町



「…っつーか、"外"に行かせたのが
間違いっつって女中辞めさせたけどよ

閉じ込めてる訳じゃねぇんだから
毎日そんな窓の外見てんなら
どっかに出かけたらどうよ

どうせデートする男(相手)は沢山居んだろ?」



そう言うのは本日も仕事を見つけられず
リビングでいちご牛乳を飲む銀時。
彼の言葉には答えず睨むと
銀時はピクピクと眉を動かしながら
焦ったように「…何だよ?」と言った。

私はその言葉に視線を窓の外に戻しながら言う



「相手なんて────」



言葉が途中で止まる。

窓の外で、見覚えのある姿が目に入ったからだ
人が歩く通りで立ち止まり私の居る窓を覗く人。

彼は私に向かって「出てこい」と口パクをした

…誰も居なくなってしまった。
銀時すら私に幻滅してしまったと思った。
でも、それでも貴方は

まだ私を受け入れてくれようとするの?


胸がじわりと熱くなる感覚がした。

こんな気持ち、私は知らない。



私は立ち上がると銀時に
「出掛ける」と言って万事屋を出た。

階段を降りると、すぐそこに彼は居た。



「…沖田くん、何の用で、ひゃっ」



話し掛けると彼は手荷物袋から
某二個入りアイスを出し片方を
私の首、まだ傷の残る刀痕に当ててきた。

冷たさに声を漏らしアイスを受け取りながら
彼を見ると彼にしては珍しく
申し訳なさそうに目を伏せていた。

言葉は無い。



「…くれるんですか?」


「別に、二個も食い切れないだけでさァ」


「では、貰いますね」



貰ったアイスを開いて食べると
程よく溶けていて口内から喉
そして体の中を冷やしてくれた。

甘くて、冷たくて、美味しい。

チョココーヒー味。



「…辞めたのって、…俺のせい、ですかィ」


「…え?…あ、ううん、違います。
私が全て悪いんです、沖田くんは悪くない」


「俺達って、」



彼は自分のアイスを手に持ったまま
縋るように私を見上げて言った。



「俺達の関係って、何ですかィ?」

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