【銀魂】彼女の小指には赤い糸が沢山ある【沖田総悟】

浮気相手が、38人目 ページ38

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その刀に驚いて振り向くと
そこにはあからさまな怒りと
殺意を表した沖田くんの姿。

こんなにも殺意を醸し出してるのに

後ろに立たれて気が付かなかった。


いきなりの沖田くんの登場に
私もそして副長も何を言っていいか分からず
沖田くんを見上げると彼は聞いた事の
無いくらいに低い声で言った。



「可笑しいと思った。土方。

テメェがそう簡単に姉上の事を吹っ切れて
他の女に落ちるってのがよォ。

…けど、ああ、…そういう事だったんですかィ。


…人の姉ちゃんを騙る遊びは楽しかったかよ」



最後の言葉は、私に向けられた物だった。
刀の先も心做しか私に向いた。
私は丁度良いと思い、立ち上がる。
彼の刀も一緒に私に向いた。



「おい、総悟待て。ソイツは悪くねぇ」


「じゃあ、アンタがコイツに
姉上の代わりになってくれ
とでも頼んだって言うんですかィ?

違ぇよなァ?アンタそんな奴じゃねぇもんなァ」


「っ」



土方さんは庇ってくれようとしたけれど
写真を見てわかるように彼らは長い付き合いで
きっと私なんかよりお互いを分かっているから

嘘をついてもすぐにバレてしまう。
今更、嘘をつく気もないけれど



「…私を、殺しますか?…沖田くん」


「正直、殺したいくらい殺意は湧いてるが…。
…その前に理由くらいは聞こうか。

アンタ、何でこんな事してるんでィ?

こんな事して楽しいんですかィ?」


「うーん、それがお姉さんの
真似の事を指しているのなら

楽しいわけないじゃないですか?

人の真似して愛されたって」



私の言葉に、二人が目を見開く。
そして沖田くんは怒りを露わにして
私の首元に刀を当ててきた。

…が、そこから動きが無かった。



「…切らないんですか?」


「…」


「もしかして、この後に及んで
下らない情でも湧きました?
貴方は分かってるんでしょう。

私がどうしようもない屑だって」



自ら刀に近付いて首を擦らせると
しっかり手入れのされた刀では
軽く擦るだけでもチリっとした痛みと共に
すぐに血が溢れ出してくる。



「は、」


「おい」



下げられようとした刃を掴み
自分から更に刀の方に首を寄せると
まるで糸が解けるように手と首が切れて
血液が更に溢れ出す。…共に激痛と目眩。

激痛に声を上げる力も無くなって

耐えきれなくなってフラつくと
彼は焦った表情で刀を下ろす。
刀を鞘に戻すのも忘れて

震える手は私を抱き締めるように支えた。



私は彼の耳元で言葉を呟き、意識を手放した。

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