【銀魂】彼女の小指には赤い糸が沢山ある【沖田総悟】

浮気相手が、37人目 ページ37

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私は一度目を閉じると切なげな笑みを作る。



「私、十四郎さんの事が好きよ。
貴方の傍に居たかった。なのに…。

どうしてあの時、突き放したりしたの…?

私の事、嫌いでした…?」


「ちが、…っ」



口をついて出た言葉に彼は手で自分の口を塞ぐ
私はその手にそっと触れると口元から退かす。
彼の戸惑い、揺れる瞳と間近で目が合う。

もう一度、耳元で囁く。



「十四郎さん…次は受け入れてくれますか…?」


「…ミツ、バ…」



彼は、拒絶しなかった。
彼とのキスは煙草臭くて昔を思い出す。

昔はこういうキスばかりだった。

彼から離れた後に、私は彼から離れた。



「私、彼女の代わりでも良いですから。
…ありがとうございました。土方副長。」



会釈して部屋から出ていく直前に見えた彼は
やはり戸惑うように瞳を揺らし

手で口元を押さえていた。









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あの時から、間違いだったのかもしれない。
後に私はミツバさんが肺の病気だった事や
土方さんがミツバさんに告白されて
突き放した時の経緯や
他にも色々ミツバさんの事を聞いた。


…それは、あの日

沖田くんに部屋を覗かれた日だった。



「…十四郎さんの部屋にでも行きますか?
それとも、このまま話をしますか?

そうね…そーちゃんの事とか」



今も覗かれてたりするんだろうか。
縁側のどこから覗くんだと思ったけれも
私は十四郎さんの手を握りながら

ふと、周りを見渡す。
…流石に沖田くんの姿はない。



「別に、総悟はいつも通りだぞ」



どうやら話をする事を選んだらしい。
彼はまた煙草に火を付けてから
私の手を握り返してくれた。



「…っと、悪い」



また煙草を消そうとしたけれど私は手で制した
土方さんは煙草を吸い煙を吐きながら
そういえば、と言葉を続けた。



「総悟が、お前に手出したり
出されるなっつってたな。…何でも
お前は自分と付き合ってるからとか」


「まぁ、そーちゃんったら可愛い所あるのね」



はあ、人真似なんて疲れる。
人を見ていたら意味無いじゃないか。

私に目を向けてくれないと楽しくない。

その気持ちに気付いたように



私と副長の間に刀の刃が突き立てられた。

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