【銀魂】彼女の小指には赤い糸が沢山ある【沖田総悟】

浮気相手が、34人目 ページ34

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太陽が丁度真上に来る時間。
私は少しだけ暑さを感じながら
屯所へと向かっていた。

新八くんの言っていた事が本当なのか
沖田くんに確かめる為に。

屯所に着くと今日は休みでは?と
色々な人に言われたけれど
用事があってと言って沖田くんの居場所を聞く

彼は巡回中らしく何も無ければすぐ戻るらしい


時間を事前に決めてから来るべきだった。



「…はぁ」



屯所内の中庭の縁側に腰掛けながら
ため息を着く。…もし、沖田くんが
そんな事してるのなら大分面倒だ。

何で彼は邪魔をしてくるんだろう。
それに、髪飾りも取られたままだ。



「髪飾り、どうしよう」



同じ事を前にも思った気がする。
捨てるべきか取り返すべきかで迷っている。

ここを辞めるか否か、それは
沖田くんの事が解決してから
ゆっくり考えようと思うけれど。



「何だ、悩み事か?」



隊服ではなく着物姿の副長は
私の隣に腰掛けると煙草を吸い
肺に溜まった煙を吐き出すと常套句を口にした

彼の姿に私は少し考えて
周りに誰も居ないのを確認してから口を開く。



「…いえ。…今日は非番ですか?土方副長。
…それとも"十四郎さん"の方がお好みで?」


「副長で良い。今話してんのは"お前"だ」


「そうですね。…ああ、悩み事は無いですよ。
沖田くんに用事があって、待ってるだけです」



副長は「そうか」と言うと
また煙を肺に取り込み吐き出した
風向き的に煙が私の方に来て少し噎せそう。



「っと、悪ぃ、今更だが煙大丈夫か?」



本当に今更すぎる質問に副長を見ると
彼は煙草を私から遠ざけながら
心做しか心配そうに私の顔を覗き込んでいた。

さて、心配なのは本当に"私"なのか。



「知ってますか?煙草って吸い過ぎると
肺の病気になりやすいんです。

でも、それは吐かれた煙を私が吸っても同じ

ねえ"十四郎さん"貴方の近くに居たら
私の肺の病気が悪化してしまうかもしれないわ

けれど、貴方の吐き出した煙で
病気が悪化して死ねるのなら本望かしら」


「っ」



私の言葉に、十四郎さんはまだ長い煙草を
携帯用の灰皿に押し付けて火を消した。
そして、気まずそうに私から目を逸らす。

私は彼に寄り添うように近付き
その頬に手を置くと彼の顔は私を向いた。



「言ったでしょう?本望って。
…貴方が好きです。…十四郎さん」


「…ミツ…」



煙草臭い口付けの直前
彼が何かを言おうとしていた。
その言葉の理由は分かっていた。


それでも、その言葉を言う事は許さない。

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