人は認めて受け入れて成長するもの ページ6
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「みんな!!」
「お帰りなさいAさん!」
「Aの好きな酢昆布山ほど買っておいたアル!!」
「おい、そりゃテメーの好物だろーが。」
相変わらずの三人をガラス越しではなく、直接見れることが嬉しくて、思わず涙ぐんだ。
「さぁ帰るアルヨー!」
「おいコラ待ちやがれっ....」
土埃を纏った沖田くんがよろよろと立ち上がった。
「なんだーサボり魔、まだ何か用があんのか?」
尋ねる銀さんに服をはたきながら答える。
「釈放っても仮ですぜィ、仮釈放中は見張りが付かなきゃいけねーんでさァ。」
「ま、まさかお前が見張りとか言わないアルな!!」
「そのまさか。つーわけで当分お世話になりますぜィ旦那。」
不敵な笑みで銀さんの肩にポンと手を置く沖田くん。
「いや、なりますじゃねぇよ!!つかちゃっかり旅行バッグ持ってるしコイツ!!」
言われて見ると本当に沖田くんの足元に旅行用のボストンバッグが置いてあった。
「重要な任務なんですから、何時とも目を離すワケにはいかねぇんでさァ。」
そんな彼に神楽ちゃんがいつもの如く文句を言ってまた悶着が始まった。
その仲裁に入るも、結局ただの喧嘩に巻き込まれた新八くん。
傍から彼らの元気な様子を見ていると、ふと大きな影が私の頭上に落ちた。
「え、あ、」
銀さんが約束していた髪留めを髪に付けてくれたのだ。
「今度から帯に付けるんじゃなくて頭に付けろ、何の為の髪留めだよ。」
背の高い銀さんの瞳を、私は見上げるようにして見つめた。
「銀さん、あの...その...」
気恥ずかしくて言葉に困っていると、「行きましょう銀さんAさん!」という新八くんの声で、銀さんは背を向けて歩き始めた。
そして背を向けて顔を見せない彼が、小さく言った。
「...可愛いんじゃねーの?」
「!あ、ありがとう...ございます...///」
似合ってるか聞こうとした私の心情を読まれたという恥ずかしさと、
純粋に褒められた恥ずかしさで顔が熱くなるのを感じた。
改めて少し前を歩く彼の後ろ姿を見つめ、どんどん早まる心臓の鼓動を感じて、
全てを悟った。
ああ、
もうダメだ
誤魔化せない。
恥ずかしいから頬が熱くなったんじゃない
褒められたからドキドキしてるんじゃない
銀さんの事が好きだから
好きな人に褒められたからドキドキしてるんだ。
それから暫くは、銀さんの背中から目が離せなかった。
上には上がいるが、下には下がいる→←フィクションは細かい事を気にしないのが暗黙の了解
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紅狼 - とても良い作品でした!!続きがめちゃ気になります!!更新頑張ってください!応援してます!!!!!! (1月8日 1時) (レス) @page50 id: c1d0e4500e (このIDを非表示/違反報告)
yuki(プロフ) - ストーリーがすごく好きです!!続きが楽しみです。 (2023年3月30日 21時) (レス) id: 17169564a0 (このIDを非表示/違反報告)
らいあ - 言葉が出ないくらいすごい作品でした!!!続き楽しみにしています! (2022年1月14日 17時) (レス) id: 5ed45ad072 (このIDを非表示/違反報告)
常夏(プロフ) - この作品大好きです! (2021年2月5日 22時) (レス) id: 3853130063 (このIDを非表示/違反報告)
みっかぼーず(プロフ) - すごく面白かったです!!ストーリーが良く作り込まれていて尊敬します (2020年4月19日 0時) (レス) id: 90b29dc37c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年10月1日 3時