藁にもすがる思いで頼みに来た、とかちょっと失礼だ ページ31
〜銀時side〜
嵐が去った。
邪魔者として始末されるんじゃないかと内心ヒヤヒヤしたが、どうにか嵐は去ってくれた。
雨でしっかり濡れた着物の裾の砂を払うと、
放心状態のように呆然と立ち尽くす新八の肩を叩いた。
「おい、よかったな新八。やっぱりお前の推理は間違ってなかったな。」
「ええ、」
どうやら本気で見当違いを懸念していたらしく、重荷が下りた様子で胸をなで下ろした。
「つーかあれ嘘アルヨ銀ちゃん。バカ兄貴が敵討ちとかありえないネ。絶対違う理由であの女追いかけてるアル。」
後ろから神楽の不審がる声が飛んできた。
「わーってるよ、でもアイツら、何で本物の殺人犯があの女だって知ってるんだろーな。世間体はもう捕まってるんだぞ女狐ちゃん。」
「ああ、確かに。Aさんの事知ってる僕らだからあの女の人が殺人鬼だって言われてもすんなり納得しましたけど、何か、妙ですね。」
「兎にも角にも、あの女が犯人と確定した今!!神威達より先に見つけるアルヨ!!」
意気込む神楽に俺達も同調して駆け出した。
駆け出した、はいいもの、
「ど、どこに行くの?俺達」
「し、知りませんよ!銀さんが決めて下さい!!」
行方のしれない道を走りながら戸惑う俺達に神楽が口を開く。
「帰るアル!」
「オイ!腹時計が鳴ったから帰るってか?!!胃を満たす暇なんてねーよ!!」
「違うヨ!!馬鹿にすんなヨ!!これは...女の勘アル。居なかったらまた探せばいいネ!どうせアイツらも見失ってるアルヨ!」
「勘ってお前...」
そんな根拠の無い理由で、と言うのをやめた。
真っ直ぐ見据えたその目は真剣そのものだった。
「そんなに言うならまあ、行くだけ行ってみるか。どうせあの女どこいるか見当つかねぇし。」
───────────────...
「マジでいたよ、エスパーだろお前。」
家に辿り着き、居間の戸を開けた先に広がる光景を見て呟いた。
さっき見た紺色の着物のAが長椅子に座っている。
ドヤ顔する神楽の頭を雑に撫でてると、女がさっさとこっち来いと言うように目配せした。
「何で僕らの事務所分かったんです?」
「馬鹿なの?江戸中にビラ貼ってたくせに。」
「あっ、そっか、て、てゆうか見てくれてたんですね!」
ビラの存在を完全に忘れてた新八が女の鋭い答えに慌てる。
俺はそいつの目の前で腰を下ろすと、早速口火を切った。
「さぁて、何から聞こうかね。」
人を詮索する時に慎重になるのはもはや礼儀→←嘘が嘘を呼び嘘まみれになると何が嘘なのかも分からなくなる
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のと丸(プロフ) - ジャスタウェイさん» ジャ、ジャスタウェイさん...!初めまして!!お褒めのお言葉誠にありがとうございます!!更新頑張ります〜(●´▽`●) (2019年8月13日 20時) (レス) id: 73b1ba17eb (このIDを非表示/違反報告)
ジャスタウェイ - とても面白いです。ぜひ更新頑張ってください。 (2019年8月13日 19時) (レス) id: f6013c941d (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - みぃさん» みぃさんこんにちは〜!!超特急で帰ってきてしまいましたね笑応援ありがとうございます!!(●´▽`●) (2019年8月9日 16時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - こんにちはです!帰って来るの待ってました。これからも頑張ってください! (2019年8月9日 16時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - シルバさん» コメントありがとうございます!!すごくすごく嬉しいです!!。゚(゚^ω^゚)゚。更新停止と宣っておきながら、結局更新再開することになってすみません(TT)節操なしの作者ですが、何卒宜しくお願いします!<(_ _*)> (2019年8月9日 12時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月28日 17時