心情を正確に言葉で表すなんてハナから難しい話 ページ23
私の言葉が予想外だったのか、口を噤んだ三人。
「私このまま死刑になっても、絶対に銀さん達のせいになんかしません。むしろすごく感謝してます。だから....その、大丈夫です。」
そう。
例えこのまま本当の犯人が現れずに死刑執行されてもいい。
もしかしたらただの強がりかもしれないけど、今は自分の命がどうでも良くなっていた。
所詮この世界でしたいことなんてないし、もしかしたら死ぬことで元の世界に帰れるかもしれない。
だから、
もしこの三人がどうすることも出来ずに私が処刑の日を迎えたとしても、
決して恨んだりしない。
したくない。
負い目を感じて欲しくない一心で私はそんな言葉を彼らに伝えたのだ。
しかし、返ってきた銀さんの声は、
「何が大丈夫なんだよ。」
怒りのこもったような威圧的な低い声だった。
心臓が嫌な予感を察知してかバクバクと鳴り響く。
萎縮して押し黙る私に銀さんが続けて話し始めた。
「何が大丈夫で死ねるって言うんだよ、何でもかんでも遠慮するような口調止めろ。その一言で俺達帰ったかもしれねぇんだぞ。おい、何が大丈夫なのかはっきり言え。」
何となく尋問室で受けた取り調べを思い出し、口の中が苦く感じた。
「本当の犯人、もう捕まえられないんでしょう、だからもしこのまま処刑されても、貴方達のせいじゃないって...」
言い終わる前に目の前の赤い瞳の男が、バンッと机を叩きつけ、立ち上がった。
思わずビクリと肩が跳ねた。
「お前が死んだら、俺のせいだ。」
全く持って予想してなかった言葉に、思わず唖然と固まった。
「ひ、人の話聞いてました?貴方達のせいじゃないから負い目感じないで下さいって」
「そーゆーさぁ、偽善的な言葉止めろって。聞いててイライラするんだよ。」
机に両手を置き、パイプ椅子に座る私をガラス越しで睨んでくる。
神楽ちゃんと新八くんはただ黙って彼を見ている。
重苦しい静寂に呼吸音でさえうるさく聞こえる。
「偽善じゃないですよ、」
何とか声を絞り出す私に対して余裕そうな声で挑発してくる銀さん。
「そーか、偽善じゃなかったか、そりゃ悪かったな。俺がもしお前の立場だったら、「死んでも大丈夫」なんてとち狂った言葉口が裂けても言えねぇと思ったからよ。」
「....何が言いたいんですか。」
怖気付く私に降りかかった声はさっきまでの脅すような声ではなく、
今まで聞いたことの無い真剣な声だった。
毒で治す治療法だってあるのだから→←優しい嘘というのは、気付いてしまえばただの嘘より痛く感じる
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のと丸(プロフ) - ジャスタウェイさん» ジャ、ジャスタウェイさん...!初めまして!!お褒めのお言葉誠にありがとうございます!!更新頑張ります〜(●´▽`●) (2019年8月13日 20時) (レス) id: 73b1ba17eb (このIDを非表示/違反報告)
ジャスタウェイ - とても面白いです。ぜひ更新頑張ってください。 (2019年8月13日 19時) (レス) id: f6013c941d (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - みぃさん» みぃさんこんにちは〜!!超特急で帰ってきてしまいましたね笑応援ありがとうございます!!(●´▽`●) (2019年8月9日 16時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - こんにちはです!帰って来るの待ってました。これからも頑張ってください! (2019年8月9日 16時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - シルバさん» コメントありがとうございます!!すごくすごく嬉しいです!!。゚(゚^ω^゚)゚。更新停止と宣っておきながら、結局更新再開することになってすみません(TT)節操なしの作者ですが、何卒宜しくお願いします!<(_ _*)> (2019年8月9日 12時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月28日 17時