大粒の雨降って地固まる頃に水が垂直に刺して地を割る ページ48
正直に言えば、
本当に、
死ぬんじゃないかと思った。
人に本気で首締められる経験なんてそうそうないな、と呑気に考えてもいたが。
しかし、この目の前の少女はただ、
もう一人の『私』に殺される事が、
いや、
壊される事が、奪われる事が怖かっただけなのだ。
目を見みれば分かった。
『どうか私の大事なものを奪わないで』
ずっとそう訴えているように見えていた。
それほどまでに、好きなのだろう、
銀さんが、新八くんが、万事屋が。
また改めて知る彼らの絆の強さ。
それを傍観できればもうそれでいいと思った。
今はもう目の前の大粒の雨は止んで、
私の知っているあの天真爛漫な笑顔が花開いていた。
「やっぱり神楽ちゃんはその顔が一番可愛い。」
少し恥ずかしいものの、彼女に対して思ったことを声に出した。
澄み切った蒼い両目が、私をしっかりと見据える。
「もう私、二度とAの事疑わないアル。絶対。」
切なげな声でそう言うと、今度は神楽ちゃんから抱きしめられた。
そんな抱きしめ合う私達の頭に大きな手の平が乗るのを感じた。
その重みは優しく、雑に頭を撫で回し、
私達を両手で包み込んでくれた。
「「銀ちゃん/さん.....」」
それに続いて反対側から新八くんも同じように私達を包み、温もりで囲まれた。
「な？神楽、俺とお前を殺そうとした奴がどんな奴か知らねぇが、
ここにいるコイツは紛れもなく俺達のAだ。」
イタズラに笑う彼を見て、神楽ちゃんも嬉しそうに大きく頷いた。
確かめるように抱き合う。
私は今、彼らの輪の中にいる。
そう、確信して思えた。
それがどれだけ嬉しかったことか、言うまでもない。
夢の中であろうと、いつか忘れられようとも、
私がこの瞬間を忘れないから、
それで十分だと思った。
すると、突然、
ノック音もせずに病室のドアが勢いよく開く音が聞こえた。
私達は手を引いて体勢を直すと、入口の方に目を向ける。
そこに立っていたのは、
「感動の抱擁中に水刺すようで悪ィですけど、」
聞き覚えのある江戸っ子口調に、
見覚えのある栗色の髪に赤い瞳を持つ美青年。
黒服を身に纏ったあのいつぞやの警察集団だった。
間もなく、聞き覚えのある男前の低い声が、
病院中に轟かせるごとく声を荒らげた。
「御用改めである！！真選組だァ！！！」
病院では、お静かに→←水を得た魚だけではない、魚を得た水だって嬉しいのだ
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のと丸(プロフ) - 餅みそさん» ありがとうございます！！更新頑張ります(●´▽`●) (2019年7月30日 12時) (
レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
餅みそ - こういう話し好きです!続き楽しみにしてます。更新頑張ってください (2019年7月29日 19時) (レス) id: bfc2e3a90c (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - MIRAIさん» コメントありがとうございます！！読者様にワクワクできるよう話を練っているので、そう言っていただけて本当に嬉しいです！！(´>ω<｀)これからまたどんどんストーリーが展開していくので、どうぞ最後まで楽しんでって下さい！！ (2019年7月26日 5時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
MIRAI - 先がわからなくってドキドキしながら読んでます！とっても面白いです。頑張ってください!! (2019年7月26日 3時) (レス) id: c6a480e818 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - 金持ちのボンボンになりたいさん» コメントありがとうございます！！ミステリー！そう言って下さるとは思いませんでした！(*^^*)これからもどうぞ楽しんでいって下さい！！ (2019年7月25日 14時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のと丸 | 作成日時：2019年7月18日 20時
