異世界人と万事屋２【銀魂】

恋は見境なしに相手を選ぶ時が稀にあるけど、どうにも為す術がないから天に任せよう ページ32

〜銀時side〜


「銀さんは、神楽ちゃんと新八くんの事が、大好きなんですね。」


そう言ってAは目を細めて優しく微笑んだ。



その姿に重なる映像がふと、脳裏に蘇る。




『銀ちゃんは、松陽先生の事が、大好きなのね。』




そう微笑むいたいけな少女の口元と、ぼんやりと見える"青"。



(これは.....誰だ？)


刹那に重なった微笑みと蘇った言葉に、俺は少しの間困惑する。



「銀さん？」

Aに顔を覗き込まれ、我に返る。


大きな瞳に吸い込まれそうになる。


心臓の鼓動が早まるのを感じる。



「い、いや、んな事ねぇよ、」

慌てて返事をすると、Aはまた笑って、嘘ばっかり、と隣で呟いた。



(いやいや、いやいやいや、ナイナイ、ナイ)


早鐘を打つ心臓に言い訳するように心の中で必死になる。




(待て銀時！！早まるな！！！



もう心臓は早まってるけど！！！



じゃなくて！！！！



いや、まさかね？？



微笑まれたぐらいじゃ銀さん落ちないから、




俺ァそんなたまじゃないよ？




ましてやまだ二十歳も超えてねぇ小娘相手に、







で、でも




何だろーなァこの気持ち.....





この、胸を締め付けるような感じ



色々いっぱいいっぱいになって苦しくなる感じ



あれ、何か.....知ってる？のか？







え、てか、マジで？




俺ー、マジでこいつの事？



いや────ナイナイ、ありえナイ！！


ホント勘弁して、


つかうるせぇーな心臓！！！


いやもうホント、認めないから、是が非でも認めないから。)


何とか苦悶に決着をつけると、背を向けた俺に何度も名前を呼ぶAの方を振り向く。


「どうしたんですか？自分が二人のこと大好きなのバレて恥ずかしいんですか？
大丈夫ですよ！神楽ちゃんも新八くんも銀さんの事大好きですから！見てたら分かりますよ！」


天真爛漫な屈託のない笑顔でまたそんな歯の浮くようなセリフを口にするA。


(なんつ──恥ずかしい事口にしながら、
本当に止めてェ────！！！
こんなに心臓がバクバクしたら認めざるを得なくなるからァ──────！！！)


「そ、そんなに顔を赤くしなくても、ぷふっ、ごめんなさい、調子に乗りすぎましたね。」

そう言って口元を押さえても、肩を震わせるA。


(このガキ本当に調子に乗りやがって...)


一方的にやられてイライラし始めた時、





「ぐはぁっ！！！！」





目を丸くしたAが突然、








血を吐いた。

漫画の登場人物達は大怪我しといて、よくもそんなに喋れるなっていつも感心する→←目は口ほどに物を言うというように、会話は相手の目を見てするもの

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