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大人というのは魅力的に見えるが、存外大したことなかったりする ページ38

「ぎ、銀さん...?」


目を合わせる私達。



彼の紅く鋭い瞳が艶めかしく潤んで見える。



月光に照らされる白銀の透けそうな髪の毛が、柔らかい影を彼の額に落としている。

形の整った鼻に、綺麗な唇、何となく紅潮しているような肌。

熱い吐息を漏らす。




雰囲気がまるで別人だった。



時間が止まったように感じる。




彼は今、どこを見ているのだろう、


そのまま目を合わせていると私の瞳の奥を見透かされる気がして、不意に目を逸らした。





「A。」




私の名前を低い声が呼ぶ。




それに反応してもう一度銀さんの方を見ると、彼の手が私の方に伸びていた。



その手がこれからどこに着地するのか、



その刹那で私の心臓がこれまでないほどに打ち鳴る。





(銀さん、一体....な、にを...)







思わず目を固く瞑ると、暗闇の中で感じたのは肩に手を置かれる感触だった。


はっと目を開くと、彼は掠れた声で


「水を持ってきてくれ。」

と言って苦しそうに唾を飲み込んだ。




___________________.....


「銀さん、お茶です。」

湯のみに冷蔵庫で冷えた麦茶を注いで持ってきた。

見ると銀さんはいつの間にか、腰を丸め、あぐらをかいて座っていた。


心ここに在らずという目で月を見ていた。


「悪ィな。」

ただそれだけを言うと私からお茶を受け取り、割と多めに注いでいたにも関わらず、
それを一口で喉を鳴らしながら飲み干してしまった。


「もっと、持ってきましょうか?」

「いや、もう十分。」

そう返事すると畳の上に空の湯のみを置き、

脇に置いていた木刀を立てて、体の真ん中で抱えこんだ。







私は銀さんの背後まで近寄り、傍に座る。


「銀さん。」

「何だ?」


「ちょっと、失礼しますよ。」

先に告げると、私は彼の額に手のひらを当てた。






「やっぱり、」


「何でもねぇよ、気にするな。」


私の手をそっと払いのける、その手すらも熱を帯びていた。


「何でもなくないじゃないですか、風邪引いたんですね、銀さん。」

私は窘めるような口調で本人に確認を取る。


「大丈夫だって、まだ引いたばっかだし。」


我慢していたのだろうか、彼にとってはタイミング悪く咳き込んだ。

「....ホントに大丈夫だって、」


意地でも自分が風邪を引いていることを認めないようだ。


だけどもう遅い、決定的な瞬間をさらけ出してしまった彼の負けである。





「もう何言っても説得力ないですよ。」

おのが信念ぶつかり合った時どちらを優先するか→←寝る前何か考える人ですか、無心になる人ですか



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のと丸(プロフ) - 雪華さん» わー!鋼錬の小説で、コメントして下さった方ですよね!ありがとうございます!(´∀`*)続編というか、新作ですが;; (2019年7月15日 9時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 続編おめでとうございます! (2019年7月15日 8時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - みぃさん» 初めまして!コメントありがとうございます!!ご感想とても嬉しく、励みになります!。°(°´∀`°)°。銀魂の小説は初めてなので至らないところがあるかもしれませんが、今後とも楽しんで下さい(´▽`*) (2019年7月13日 16時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 初めましてです!とても面白いです!この作品が大好きです。更新頑張ってください! (2019年7月13日 16時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月10日 22時

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