お人好しもツンデレも、傍から見たら損ばかりしてるように見える ページ16
浴室はそれほど狭くもなく、和風なデザインではあるものの、
昔の蛇口ではなくしっかりと現代風のシャワーが付いていた。
レバーをひねると、ザッと勢いよくお湯が体を包み込んだ。
(はぁーーー....)
散々雨に降られ続けたせいで体が冷え切っていたから、余計に熱いお湯が身に染みた。
(こうしてお風呂に入れたのも、銀さんが私を見捨てないでくれたおかげだな.......)
彼への感謝の気持ちでしみじみとなる。
すると浴室の扉の向こうから、洗面所の戸が開く音が聞こえた。
次に浴室の扉をノックする音が聞こえて、
「もしもし?一応着替え置いとくから、風呂上がったら着ろよ。神楽のはお前には小さいみたいだから、悪いけど俺の甚平で我慢してくれ。」
と、銀さんの声が飛んできた。
それから間もなく銀さんはまた脱衣所から出てゆき、私もさっさとシャワーを済ませてお風呂からあがった。
(えっと、これ、か。銀さんが言ってた甚平。)
バスタオルで体を拭きながら、薄い黄緑色の甚平を手に取る。
(あ、パンツどうしよ.......仕方ないか、)
下着までは用意されていなかったため、今日だけ辛抱してまだ少し湿った下着を着る事にした。
(さすがにノーパンはヤバいから)
と言い訳をして、甚平を着ると脱衣所を出た。
すると玄関で座り込んでいる銀さんの姿があった。
まだ服も濡れてて、なのにどうやら寝てしまっているらしい。
(こんな所で、濡れた格好のまま寝るなんて...私よりよっぽど自分が風邪引きそうになってるじゃない....)
呆れと共にため息が漏れた。
(お人好しなんだから。)
「ね、銀さん、お風呂あがりましたよ。銀さんも入ってください。このままじゃ風邪引きますよ。」
脱衣所の電気しかついていない暗がりの中、銀さんを起こそうと肩を揺する。
やっぱり服が冷えてる。
これじゃ体も冷やされただろう。
「銀さん!起きてください!」
「んん....あ、悪い寝ちまってたな。」
そっと目を覚ますと、少し気だるげに声をこぼした。
「さ、お風呂入ってください。あと、服ありがとうございます。」
「おー、そんじゃ俺も入るとするか。あ、居間の左の部屋に布団置いてっから、そこで寝ろよ。」
そう言うと、よっこらせと腰をもたげ少しだらしな気に脱衣所に入っていった。
(布団まで用意してくれてたんだ....)
手際の良さに少し感心しながら、言われた通りに布団の場所に向かった。
漫画の戦闘シーンなどで彼らが負う怪我の痛みを想像したことはあるか→←『意識しているのはいつも自分だけだ』と、人は勝手に思い込む
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のと丸(プロフ) - 雪華さん» わー!鋼錬の小説で、コメントして下さった方ですよね!ありがとうございます!(´∀`*)続編というか、新作ですが;; (2019年7月15日 9時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 続編おめでとうございます! (2019年7月15日 8時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
のと丸(プロフ) - みぃさん» 初めまして!コメントありがとうございます!!ご感想とても嬉しく、励みになります!。°(°´∀`°)°。銀魂の小説は初めてなので至らないところがあるかもしれませんが、今後とも楽しんで下さい(´▽`*) (2019年7月13日 16時) (レス) id: 3187970ecf (このIDを非表示/違反報告)
みぃ(プロフ) - 初めましてです!とても面白いです!この作品が大好きです。更新頑張ってください! (2019年7月13日 16時) (レス) id: d77d134be6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:のと丸 | 作成日時:2019年7月10日 22時