縁起の悪い ページ43
・
『…あの、あんま見ないで貰えますか』
「嫌だ❤︎」
『もうやだこの人』
その後なんとか腕から抜け出したは良いものの、絡み付く様な視線を向け続けてくるヒソカさんに威嚇を続けていれば
__チン
というベルの音がエレベーター内に響き、扉の上の数字が地下百階を示した
『…着いたみたいですね』
「そうだね♦︎」
ようやくこの地獄の様な空間から解放される。と少々晴れやかな気持ちで開いた扉から外に出ると
…おそらく四十人くらいだろう。参加者達の視線が、私の斜め後ろにいるその人物に突き刺さった
「__今年も来やがった」
…そんな言葉とともに
『…ヒソカさん、なんか睨まれてますけど』
「そうだね♣︎」
いやそうだねじゃなくて。
呆れ混じりに『一体何したんですか』と尋ねれば、僅かにその口角が上がって
「去年、試験官半殺しにしたんだよね…♠︎」
『…』
「それが理由かも♦︎」なんて楽しそうに
『…ぶっ飛んでますね』
私はとんでもない人と面識を持ってしまったらしく、一刻も早くこいつから離れなければ。と無数の殺気を受けて何故かテンションを上げているヒソカさんを引っ張ると、急いで受付へと向かった
「__そちらを胸につけ、試験開始までお待ち下さい」
『わかりました。ありがとうございます』
受付を終え、グリーンピースの様な見た目をした協会の人を見送ると
手渡されたそれに視線を落とす
与えられた私の受験者ナンバーは43
ヒソカさんは44だ
うわ、44って死じゃん。何なのこの人
『…じゃあヒソカさん、受付も終わりましたし私はこれで_____ぐぇっ』
番号まで縁起悪いよこの人…とそそくさとその場を立ち去ろうとすれば、ヒソカさんに服の襟を掴まれそれを阻止された
咄嗟に出た声が可愛くないのには目を瞑っていただきたい。
「…ボクはもっとキミと話したいんだけど❤︎」
『………あはは』
笑顔の裏に有無を言わせぬ威圧感を感じ
…気付いた時には、私の首は縦に動いていた
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ゆら(プロフ) - 紗蘭さん» わぁぁぁすっごくすっごく嬉しいです!!ありがとうございます頑張ります…! (2021年8月17日 13時) (レス) id: 65f7be7df1 (このIDを非表示/違反報告)
紗蘭 - 夢主ちゃんのキャラとか、イルミさんとの絡み方とか、すごく好きです…!!更新楽しみにしてます! (2021年8月16日 23時) (レス) id: 579f6ff34b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆら | 作成日時:2021年7月19日 15時