検索窓
今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:15,628 hit

情けない ページ9

遅い・・・!

深夜0時をとうに越えて、私の我慢は限界だった。

最近は連日のように飲みに出掛け、千鳥足で万事屋に戻ることも少なくない銀時。
繁忙期で多くの依頼をこなしているとはいえ、稼いだ分だけ使う生活はいかがなものか。


「A・・・まだ起きてたアルか?」

「ごめん、帰るね」


目を擦りながら起きてきた神楽ちゃんに、申し訳なさが募る。
日が変わる前に戻ると言った銀時を万事屋で待っていたのだが、さすがに長居しすぎた。


「もう遅いし泊まっていけば良いアル。」

「そんなに遠い訳でもないし大丈夫。さすがに悪いから今日は帰るよ。」

「A・・・!」


後ろで引き留める声がしたものの、軽く手を振って万事屋を出た。

私は立派に大人である。
家主の許可なく泊まることは気が引けるし、それに武州の田舎に比べれば江戸の夜道は明るい。

・・・確かに、何か言われそうではあるけど。

少し前には今よりよほど早い時間だったにも関わらず、自宅前まで迎えに来られた経験もあるワケで。


「・・・まぁ良いか」

「良くねェだろアホ」

「・・・・・・・・・奇遇、だね」


1階へと続く階段を少し降りたところで目の前に立っていたのは、頭に浮かべていた人物。


「まさかこの時間に1人でご帰宅ですか」

「だってほら・・・泊まるのも悪いし?」

「・・・変なとこ謙虚だよな、お前」

「えっ?ちょっと待って・・・!」


グイ、と手首を引っ張られて強制的に私の体は方向転換。


「今から送るってのも面倒だし、戻った方が早ェ」

「誰のせいだコラ!当たり前みたいな顔してるけど、約束の時間に戻らなかったのはアンタだからね!」

「うるさいでーす、ご近所迷惑だろーが」


はい出た。こういうところ。
自分のことになるとサラリとかわす、そんなやり口。


「それに神楽ちゃんだって1人でいたんだから!危ないでしょ!」

「神楽は夜兎だぞ。お前ェみたいな甘ちゃんと同レベルじゃねェよ。」

「誰が甘ちゃん!?」

「今も俺に引っ張られてされるがままだろーが。」

「それは・・・」


私だって決して警戒心が無いわけじゃないのに。
それに自分は心配をかけまくっているくせして、護られているのは私ばかり。

「分かり合えない人に惚れるほど、暇じゃないってこと。」

いつか私は沖田さんにそんなことを言った。
全てを理解するつもりはないと割り切ったつもりだったのに。

どうしてこんなに自分が情けないんだろう。

北極と南極のどちらも寒いんだし天国と地獄の内情も実質一緒なはず→←厄介な算段



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (61 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
188人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 万事屋 , 坂田銀時
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

ξεグリムэЭ(プロフ) - えだまめンヌ。さん» ありがとうございます!ログイン情報を忘れて長らく更新できなかったアホなのですが(笑)引き続き頑張ります! (2020年9月2日 2時) (レス) id: 69bdc7b84c (このIDを非表示/違反報告)
えだまめンヌ。 - しっかり掴まれていて、リアル銀魂!って感じが凄いなと思いました笑ええぇ…未だに驚かされています笑銀さんの生き様だとか、そういうものも盛り込まれていて一気に引き込まれました。この作品大好きです!!応援しています!! (2020年6月18日 16時) (レス) id: 510c711c3f (このIDを非表示/違反報告)
えだまめンヌ。 - 昨日の夜この作品を見つけ、次の日が学校という事も構わず一気読みしてしまいました笑めっっちゃ面白い!!こんな事があったら、きっとキャラはこういう事を言うんだろうな、するんだろうなという部分を→ (2020年6月18日 15時) (レス) id: 510c711c3f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ξεグリムэЗ | 作成日時:2019年3月22日 6時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。