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貸し ページ25

▽side 土方十四郎▽


「土方さん、これ誰かからの果たし状でさァ。」

「どう見ても普通の手紙だろうが!」


ある日の昼、屯所に届いた白い封筒の中身。
それは俺が相手方に送った手紙の返事だった。

綺麗に並んだ文字を読み進めれば、知りたかった答えは確かにそこに記されている。


「妾、か」


Aの話に信憑性がなかった訳ではないが、嘘の可能性は確実にゼロにしておきたい。
ならば、土方の家に聞くのがもっとも早く確実な手段だ。

手紙はAの話が全て事実だと認めるもので──つまり確かに俺たちは腹違いの兄妹にあたるということ。

初めてAに会ったとき、アイツは「まだまだ腹違いが居そう」だなんて冗談を言っていたが、その可能性も捨てきれないんじゃないだろうか。
まったく、妾が何人も存在していたなんて迷惑な父親である。


「・・・あのバカ、連絡ぐらい寄越しやがれ」


総悟がAの部屋を破壊した日から、俺はアイツに会っていないどころか連絡も取っていない。
あれだけ一気に「兄妹」として距離を詰めてきた奴だ、そう期間を空けずに屯所にでも訪ねてくると思っていたのだが・・・。

こちらから連絡しようにも、初対面時に聞いた番号は例の破壊された自宅のもの。


「ホテルかあのキャバクラか・・・」

「さっきから何ブツブツ言ってんですかィ。悩みがあるなら俺が楽にしてやりやすよ。」

「テメェは当たり前のようにサボってんじゃねェよ!」

「その手紙届けてやったのは俺ですぜィ?どんな殺害予告か教えてくだせェよ。」

「殺害予告じゃねェし、テメェに教える必要もねェ。」

「冗談でさァ。どうせあの女のことでしょ。ホテル訪ねて不在でも無駄足、かと言ってキャバクラ訪ねるのも気が向かねェ。」


この変に人の考えを見抜く鋭さを、もっと別の部分に生かしてほしいもんだと常々思う。


「あの女クビになったらしいですぜ、キャバクラ。」

「・・・は?」

「近藤さんからの情報なんで確かでさァ。この情報で1つ貸しってことで。」

「・・・ちょっと待て。色々突っ込ませろ。」


クビ?まだ勤めてから1週間ほどじゃなかったか。
そして、近藤さんがまた『すまいる』に出向いていたことに呆れと半ば諦めの感情。
・・・っつーか貸しってなんだ、貸しって。

つまり?アイツに会う手段から『すまいる』は消えたわけだ。

キャバクラに行くのも確かに気は向かないが、1週間でクビという情報を聞いた以上、なんとも複雑な心境である。

大問題→←面倒事の予感



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ξεグリムэЭ(プロフ) - 白桜姫さん» コメントありがとうございます!ただいま編集作業行なっておりますので、公開まで今しばらくお待ちくださいませm(_ _)m (2018年11月12日 3時) (レス) id: 0498653311 (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続き見たいです (2018年11月9日 1時) (レス) id: 6519ad1531 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ξεグリムэЗ | 作成日時:2018年5月15日 5時

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