賭け ページ2
万事屋という名の何でも屋。
私の働く居酒屋でたまたま耳にした、「本当に助かった!」なんて評判を真に受けて。
だがこれは。
間違えた・・・かもしれない。
「で、どんな依頼をするつもり?」
少し喧嘩腰で聞いてきた女性は、世に言うストーカー・・・だと思う。
恐らく万事屋の先ほどの男性に想いを寄せているのだろう。
それにしても・・・ストーカーされているのに、当たり前のように引き出しを開けて留守を任せるとは。
信頼関係も成り立っているのだろうか。不思議な人たちである。
「人を探しているんです、大切な人を。」
「もしかして恋人?」
急に女子会のコイバナのテンション。
「恋人ではないです。想い人でもありません。」
「じゃあ家族?」
「家族、らしいです。」
「・・・随分と曖昧ね。」
家族、だと聞いている。
私も詳しいことは知らないけれど、どうしてもその人を探し出さなければいけない。
「まぁ私は万事屋の従業員ではないし、深く聞くつもりはないわ。見つかると良いわね。」
「ありがとうございます。」
・・・悪い人、ではないんだろうけど。
それでもイマイチこの空間に居心地の悪さを感じるのは、あの大きな犬だったり男性の独特な倦怠感を纏った雰囲気だったり、謎の『糖分』と書かれた書が飾られていたり。
やっぱり怪しさが拭えないというか・・・。
「あの、失礼ですけど、こちらの万事屋の実績とか・・・教えていただけませんか?」
「実績?そりゃあもう沢山あるわよ。それこそ人探しだって何度も請け負って解決してきてる。」
「なるほど・・・。」
任せても良いんだろうか。
私はこの人探しに全てをかけている、と言っても過言ではない。
これまでしばらく自力で探してはみたが、どうにもならなかったのだ。
もし見つからなければ、私の人生が終わったに等しい。
・・・イチかバチか、賭けるか此処に。
「すみません、ちょっとだけ出てきます。すぐ戻りますので。」
向かった先は銀行。
私の持っているお金、全てを賭ける──。
通帳の値が0になっていることを確認して、引き出したお金をしっかりと手にした。
「戻りました!」
「・・・本当にちょっと出ただけね」
「
「あなた・・・一体幾ら出すつもり?」
幾ら出すかって?
そりゃあ人生の大勝負に出るのだ。
「3000円です!」
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ξεグリムэЭ(プロフ) - 白桜姫さん» コメントありがとうございます!ただいま編集作業行なっておりますので、公開まで今しばらくお待ちくださいませm(_ _)m (2018年11月12日 3時) (レス) id: 0498653311 (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続き見たいです (2018年11月9日 1時) (レス) id: 6519ad1531 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ξεグリムэЗ | 作成日時:2018年5月15日 5時