一直線 ページ4
▽side 坂田銀時▽
「まずはどこから当たりますか?」
昨日の出来事を新八に話して、いざ人探し。
しかし問題は『しらみつぶし』なんていう非常に面倒な方法である。
「公務員と言ったら警察ヨ。警察に写真見せて回れば良いアル。」
「そんなことしたら不審者だろうが。公務員イコール警察に絞るとしても、周りから固めなきゃならねェ。」
「姐御のキャバクラとかどうアルか?公務員なんて税金を女に落とすのがお決まりネ。」
「えらく偏った見方なんですけど」
「まァ最初としては悪くないんじゃね?そこで良いだろ。」
「適当すぎますよ銀さん」
なんだかんだ神楽や俺にツッコミを入れながらも、特に他に良い案も思い浮かばなかったのだろう。
自然と俺たちの足は『すまいる』へと向かう。
少し遅れて歩く依頼人の女は所在無さげで、どうにも要領が良くない印象を抱いた。
「なぁアンタ。ここまで必死に兄貴を探す理由、聞いても良いか?」
「理由ですか・・・。お金、でしょうか。」
「金?」
「地元では名の知れた名家の当主、それが私の父です。でも母は妾で、言うなれば私は隠し子。それでも父が亡くなるまでは苦労しませんでした。でも・・・」
「父親が亡くなった途端、貧乏暮らしって訳か。」
「はい、ありがちですけど。母がなんとか頑張ってくれて、ここまで来れました。その母も少し前に亡くなって。」
「腹違いとはいえ、血の繋がった兄を頼ろうって?」
「その通りです。」
話を聞いて疑問が湧いた。
普通なら家族を亡くして1人。
だからこそ発覚した腹違いの兄を、家族を、探していると言いそうなもんだが。
この女はハッキリと金の為だと言い切った。
「家族を探したいんじゃなく、経済的に助けてほしいだけか?」
「まあ・・・。正直そうです。」
「素直で良いねェ。嫌いじゃねェよ。」
万事屋だって依頼がなければ収入がない。
それによって生活が苦しいのは日常茶飯事で。
だから金の大切さは良く分かる。
そんな状況で過ごしてきたからなのか。
目的の金へと一直線のこの女に、嫌悪感を抱くことはなかった。
「そういや名前聞いてなかったな。」
「そうでしたね、失礼しました。」
名乗っていないことを思い出したのか、本当に申し訳なさそうな顔をして。
「土方です。土方A。」
「・・・は?」
「・・・ん?」
「・・・え?」
俺たち3人の足が止まったのは同時だった。
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ξεグリムэЭ(プロフ) - 白桜姫さん» コメントありがとうございます!ただいま編集作業行なっておりますので、公開まで今しばらくお待ちくださいませm(_ _)m (2018年11月12日 3時) (レス) id: 0498653311 (このIDを非表示/違反報告)
白桜姫 - 続き見たいです (2018年11月9日 1時) (レス) id: 6519ad1531 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ξεグリムэЗ | 作成日時:2018年5月15日 5時