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「(はぁ、どんな顔で会えば…)」



起き上がると首元でシャラ、と音がした。違和感に目を向けると、雫に形取られた赤い宝石が銀のチェーンに繋がれ、首から垂れ下がっている。

こんなものを持っている覚えも付けた覚えもない。


だが、この色には見覚えがある。



「(置き土産ってやつかな…)」



手の上でころころと転がしながら、あの日のことを思い出す。

あの海賊団を倒すだけでなく、私を連れ出してくれた。まさか海賊に助けられる日が来ようとは思わなかった。赤髪海賊団に出会わなければ私は今もあの場所にいたのだろう。

海賊にさらわれ、海賊に助けられる。運命とは分からないものだ。


そんなことを思い返しながら身支度を整えて部屋を出る。



「おはよう、母さん」

リ「あら、起きたのねA。昨日はびっくりしたわ。覚えてる?船長さんがあなたをここまで運んできてくれたのよ」

「うっ、やっぱり…?」



私のバツの悪い顔に母さんは笑う。

『おはよう』と言える日常。それが戻ってきたことに今更ながら、帰ってきたのだと実感した。

…だが、嬉しいのに気持ちが晴れないのはなぜだろう。心配することなど、もう何もないというのに。


浮かない顔に気付き、リーラはAを抱き寄せた。



リ「一人で、よく頑張ったわね。…あなたには辛い思いをさせたわ」

「ふふっ、もう過ぎたことだよ。それに、私はこの島が好きだからね」



なんでもないように笑うAにリーラは一瞬泣きそうな表情をし、より強く抱きしめた。



リ「私達は大丈夫。だから、もうこの島に縛られなくていいのよ。私も島のみんなも、あなたの好きなように生きてほしいの」

「私の、好きなように…?」



母の言葉に少し戸惑う。

あの日からずっと島を守るためだけに生きてきた。それがなくなった今、私はこれからどう生きるのだろう。この島で昔と同じように生活していく。そんな未来は思い浮かばない。

頭によぎるのはあの船で過ごした日々。毎日を自由に生きている、あの赤い髪の船長。

海賊は嫌いだ。海を見るだけであの頃を思い出す。だけど思ってしまった。



もし、あの船で冒険をしたら

もし、あの人達と一緒に過ごしたら

もし…あの人のそばで同じ景色を見たら



きっと楽しいのだろう。そう思わずにはいられない。でも、



「私は…この島で生きるよ」




そう言って、Aは笑った。

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竜胆 - 2人の本気の覇気食うパターンか…苦笑 だから…毎度毎度、覇気放つな!って文句言ってそうww (7月11日 18時) (レス) id: d86fd8d418 (このIDを非表示/違反報告)
YY(プロフ) - 竜胆さん» 覇気出して起こりそうw (7月11日 17時) (レス) id: 4125d393b1 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆 - 感情的になって、多分この2人の前でこんな事言ったらタダじゃ済まなそうですが…これ言いたい私←w 何で見捨ててくれないんですか?私が囮になれば皆んなに火の粉が飛ぶ事は無いんですよ?って言ったらなんて言うかな←w (7月6日 1時) (レス) id: d86fd8d418 (このIDを非表示/違反報告)
YY(プロフ) - 竜胆さん» あー…すごい良いです。ガキがそんなこと心配すんな。俺達がそう簡単に負けるわけねぇだろ?って言いそうw (7月6日 0時) (レス) id: 4125d393b1 (このIDを非表示/違反報告)
竜胆 - 私が仲間になれば…あなた達には一切の手出しはしない。けど仲間にならないなら、お前の目の前で大事な奴がどうなるか分かるよな?そう言われたんです。って言ったらシャンクス何て言うのかな←w (7月6日 0時) (レス) id: d86fd8d418 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:YY | 作成日時:2020年1月27日 16時

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